しかし、製品のデザインに関して言えば、KDDIにはユニークな存在感がある。ここ数年、国際的に最も高い評価を受けている日本のデザイナーやアーティスト数人が、同社のモバイル通信サービス「au」向けに携帯端末をデザインしてきたからだ。 同社は今月、新携帯端末「X-RAY」を発売。同製品はプリント基板や集積回路などの内部が透けて見える構造になっている。このデザインを手掛けたのは吉岡徳仁氏。現在、最も影響力のある日本人デザイナーの一人であり、その作品はニューヨーク近代美術館(MoMA)とパリのポンピドー・センターにも所蔵されている。 KDDIは約10年前からデザイン重視の製品作りを行ってきており、「X-RAY」もそのような取組みを象徴する最新例にすぎない。 同社は2001年にauデザイン・プロジェクトを立ち上げ、2003年には同プロジェクトの製品第1号となる「INFOBAR」を発表した。同製品は、