2024年の1月1日に亡くなった経済評論家の山崎元氏。彼曰く、若いビジネスパーソンに必要な保険は、自動車を運転する場合の任意保険、住宅の火災保険、お金が十分ない状態で子どもが生まれた場合に稼ぎ手に掛ける死亡保障の生命保険の3つだけだという。 書籍『経済評論家の父から息子への手紙』より一部を抜粋・再構成し、お金と人間関係、自分への理想的な投資先についても解説する。
お金の減らし方 (SB新書) 【本の概要】◆今日ご紹介するのは、3月末の「未読本・気になる本」の記事だけでも既に何人かの方にお求めいただいている1冊。 リッチな印税ライフを送られる森先生にお話聞くなら、「お金の増やし方」だろう、と思われた方、まさにそのとおりなのですが、一筋縄ではいかないのも森先生らしいところです。 アマゾンの内容紹介から。「お金がないから好きなことができない」 人はお金を理由にしがちです。 一方、お金持ちは「お金は使えば使うほど増える」といいます。 人生や価値観を左右する「お金」とは一体なんなのか。 どうすれば、お金の不安が消えるのか? 本書は、著書『作家の収支』でその収入を明らかにするなど、忌憚なく本質を突く作家・森博嗣が「お金の減らし方」と題し、人生とお金の付き合い方を解き明かします。 投資家やFPでは決して語ることのできない。 「お金」への思い込みをひっくり返す1冊
他者に認められたい、という承認欲求が、このネット社会ではやや加熱しているように観察される。現代の子供たちは、相対的に大勢の大人に保護されている。しかも、褒めて育てる教育法が主流となっているから、幼い頃から、とにかく褒められるだろう。なにをしても、周囲の大人が即座に反応してくれる。オーバに手を叩いてくれるし、可愛いね、上手だね、凄いねとべた褒めされる。結果的に、そんな好意的な反応をもらえるものが「社会」だ、と思い込む人間を育てているのである。 大人になって一人暮らしを始めると、これが一転することになる。仕事場では、誰も褒めてくれない。多くの仕事は、相手を褒める側に立つものである。頭を下げ、相手の機嫌を取らなければならない。子供の頃とのギャップが甚だしい。 (森博嗣『お金の減らし方』SB新書、2020) こんばんは。上記の《オーバに手を叩いてくれる》というところは「オーバーに」の間違いではない
独身者がひとりで生きる老後にはどんな課題があるのか。漫画家のよしたにさんは「経済評論家の山崎元さんに賢いお金の使い方3種類と絶対買ってはいけないものについて教えてもらった」という――。 ※本稿は、よしたに『大人ぼっちマニュアル』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。 すぐに人に頼る人がお金で失敗する 「お金を稼ぐのは使うためでしょう? 足りなければ稼げばいい、無駄なお金を使ったなら節約すればいいだけ。貯めこむことばかり大事にしたら、気持ちよく使えなくなるよ。節約しすぎるとその分仕事も小さくなります」 きっぷの良い話し方で、面白くわかりやすくお金の問題についてお話ししてくださった山崎先生。お金との付き合い方を通して常に人生を前向きに楽しむ、「守り」より「攻め」の姿勢について我々に教えてくださいました。
電子コミック市場は右肩上がりの成長を続けている。インプレスの調査によると、2022年度には5000億円を超えた。紙の漫画のアシスタントだった丸山恭右さんは2019年から漫画アプリへの配信を始め、年収2000万円を稼ぐ電子漫画家になった。なぜ紙媒体をやめて電子コミックを選んだのか、ジャーナリストの富岡悠希さんが聞いた――。 作画もアシスタント指示もすべてオンライン 2LDK、月家賃29万円の新築マンションが丸山恭右さん(31)の自宅兼仕事部屋だ。その一室の机には、液晶ペンタブレットとモニター2台が並ぶ。右手の専用ペンをタブレット上で迷いなく動かし、左手のショートカット用デバイスをこまめに操作しながら、主人公などを描いていく。合間にはモニターに映したLINE上で、20代前半から40代後半までのアシスタントの男女7人とやりとりする。 漫画家といえば一人黙々と机に向かい、締め切り前には徹夜続き……
ラーメン店の経営はなぜ、これほどまでに厳しいのか。その壮絶な舞台裏を余すところなく記した著書『プロレスラー、ラーメン屋経営で地獄を見る』(宝島社)が話題だ。著者はプロレスラーの川田利明。開店から14年、「ラーメン屋の開業を考えているなら、絶対にやめたほうがいい」と断言する理由とは。詳しい話を聞いた。 ラーメン店の経営はなぜ、これほどまでに厳しいのか。その壮絶な舞台裏を余すところなく記した著書『プロレスラー、ラーメン屋経営で地獄を見る』(宝島社)が話題だ。著者はプロレスラーの川田利明。開店から14年、「ラーメン屋の開業を考えているなら、絶対にやめたほうがいい」と断言する理由とは。詳しい話を聞いた。 「ラーメン屋は絶対やらないほうがいい」 東京・世田谷区でラーメン店「麺ジャラスK」を経営する川田は険しい表情で現状を語った。 著書は2019年に発売した単行本を加筆・改題して文庫化したもの。最新の
日本株はこれからどうなるのか。エコノミストのエミン・ユルマズさんは「日本の対外純資産は世界最大で、GDPの約1割を投資で得ているため、円の暴落は考えにくい。そのうえ日本株は相対的に魅力が増しており、世界の投資マネーは今後さらに日本に集中するだろう」という――。(後編/全2回) ※情報は5月22日時点のもの。 「有事の円買い」は起きるのか (前編から続く) 日本円はスイスフランと並んで「安全資産」とされています。 市場の危機感が高まり、リスク志向が低下、つまりリスクオフになると、こうした安全資産に資金が集まります。いわゆる「有事の円買い」です。 いま市場の緊張感は少しずつ高まってきています。昨年よりFRBによる利上げが始まった結果、アメリカ国債の価格が下落、保有している金融機関に多額の含み損が発生しています。 これが原因で一部の金融機関では大規模な預金流出が発生、シリコンバレー銀行やファース
しばらく間が空いた。もう死にそうになっていて、原稿は書けないのかと思われるのはまだ不本意だ。しかし、本当に死んでしまうと原稿は書けなくなるので、もっと困る。続きを書くことにしよう。 今回は、癌の治療コストとがん保険について書くことにする。幾らか専門のお金の話なので、他の回よりも気楽に書ける。 <治療費を幾ら負担したか> 癌に罹ったという話をすると、いつどうやって癌が分かったかという質問(なぜかこの質問が圧倒的に多い)の次くらいに多いのは、がん保険はどうしていましたか、だった。これは、筆者がお金関連の情報発信を生業としているからだろう。 結論から言うと、筆者はがん保険に入っていなかった。しかし、それで何の問題も無かったし、がん保険に入らないという意思決定は、筆者以外の広い範囲の人にとってこれからも正しい。 もちろん、がん保険に入っていれば、「結果的に」お金が貰えて得をしていただろう。しかし、
子どもの“金融教育”、何から始めればいい? 「お金の教育」を受けてこなかった大人世代ができることを考える【金融庁に聞く】最終更新日:2024年11月8日 『イーデス』は、複数の企業と提携しており、当サイトを経由して商品への申込みがあった場合、各企業から報酬を受け取ることがあります。ただし、当サイトで紹介する商品・サービスは、イーデスが独自の基準で評価し掲載しております。 また当サイトで得た収益は、サイトを訪れる皆様により役立つコンテンツを提供するために、情報の品質向上・ランキング精度の向上等に還元しております。※提携機関一覧 2022年度から高校家庭科の金融経済教育の内容が拡充されるなど、若いうちから「お金」について学ぶ機会が増えてきています。子どもを持つ親として、お金の使い方を含めた金融経済教育(金融教育)への関心を持つ方も多いことでしょう。 一方で、「子どもに金融教育を行いたい」という
無茶な授業依頼 筆者は友人のある大学の先生に頼まれた。 「ヤマチャン、うちの学生に一コマだけお金の授業をして欲しい。一生役に立つようなマネーリテラシーにつながる話がありがたい。難しい話はダメだよ。分かりやすい話で頼むよ」。 大学の一コマは、昨今90分ないし100分だ。典型的な講演の時間に近い。この時間内にマネーリテラシーの基本になる話が一通り出来るか。 「出来る」と、一応筆者は答えるが、率直に言って話は難しくなる。典型的には以下のような構成だ。 これまでのマネーリテラシー研修構成案 1.お金とは 2.人生とお金の関わり(稼ぐ、貯める、増やす、使う) 3.「稼ぎ方」。人材価値とキャリアプランニングの考え方 4.「貯める」。必要貯蓄額の求め方と柔軟なライフプランニング(人生設計の基本公式) 5.投資の意味(お金を働かせる) 6.リスクとリスクプレミアム(リスクプレミアムはどこで生じるか。経済成
専門家と街を歩くシリーズ最新回はお金の専門家として田内学さんと渋谷を歩く。 接着剤や広告看板など知られざる世界の専門家と街を歩くことが多かったこのシリーズであるが、今回はダイレクトにお金である。うっすら避けてきたお金の話がみるみるわかってしまう… 「お金は人を動かすチケット」で考える 田内学さんの書いた『お金のむこうに人がいる』は、お金とは人に動いてもらうためのチケットだという考えがもとになっている。 高齢化社会に向けて2000万貯めたところで、動いてくれる人がいないと意味がない。インバウンドで日本に残った外貨はいずれその国の人が動いてくれることになる。などなど、その考えで初めてお金のことが体感として分かってきたのが前回(『専門家と街を歩くシリーズ、思い切ってお金の専門家を呼んでしまう』)。 今回はその続きである。私たちはお金でどうやって幸せになるんだろうか? 『お金のむこうに人がいる』著
円安になって物価が上がり、さらに戦争によるエネルギー価格高騰もあってどんどん上がり、今なにが流行ってるかといえば「お金」じゃないだろうか。儲けようとか損したくないとかでなく「お金」そのものを知りたい。 思えば数々のニッチな分野の専門家と街を歩いてきたシリーズであるが、今回は私達の生活にダイレクトに関わってくる「お金」そのものの専門家を呼んでみることにした。 はじめてお金のことが分かった専門家を呼ぶ いつか新聞とか読んで株とかやってお金のことがわかるんだろうなと思っていたが、全部ダメなまま40代に突入した。未だ赤ちゃんのままである。 そんな折、田内学さんの書いた『お金のむこうに人がいる』を読むとお金のことが分かった気がした。世の中には経済の入門書が多くあり専門家も星の数ほどいるのだが、田内さんならこの経済赤ちゃんたちを育てるまでいかなくてもあやすことができるのではないか。 ということで渋谷の
バブルや恐慌が生じるメカニズム イェール大学の教授でロバート・J・シラーという人がいます。米国の一戸建て住宅の再販売価格動向を示す指数である「ケース・シラー指数」を作った人ですが、そのシラー教授が最近『ナラティブ経済学』(東洋経済新報社)という本を書きました。 「ナラティブ」というのは「物語」という意味で、シラー氏は著書の中で「ある社会、時代などについての、説明や正当化を行う記述のための物語や表象」と表現しています。 少し表現が難しいのですが、簡単にいえば、「バブル」とか「恐慌」といった経済的な現象の多くは、人々がある物語を信じ、それが広く世の中で信じられていくことで起こるということを表しています。 老後不安という日本における最大の物語 たとえば、2000年頃に起こった「ドットコムバブル」(日本ではITバブルといわれていました)の頃は、IT技術の進歩で、関連する銘柄はどこまでも上がると信じ
https://www.nhk.jp/p/gendai/ts/R7Y6NGLJ6G/blog/bl/pkEldmVQ6R/bp/pbWJ88Rk1y/ 超高齢社会の日本。認知症の高齢者の数は、600万人以上といわれています。 認知症などで判断能力が十分でないとされると、銀行口座からお金が引き出せなくなるなど、いわゆる“資産凍結”をされる可能性があります。凍結された資産は、家族でさえも動かすことは難しくなります。 そうなってしまう前に、どういった対策を取るべきか。 ファイナンシャルプランナーの黒田尚子(くろだ・なおこ)さんに聞きました。 (クローズアップ現代 「親のお金をどう守る」取材チーム) 【目次】 ■ 認知症になると資産が凍結される!? ■ 資産凍結されたら「成年後見制度」に頼るしかない? ■ 判断能力が低下する前に出来る対策はたくさん
NewsPicksのもう1つの編集部、NewsPicks Brand Designから『NewsPicks Brand Book ニューノーマル時代にお金を育てる』が発売された。 「ニューノーマル時代の経済は、私たちを幸せをするのか?」──そんな“壮大な謎解き”が始まった2021年。自分や社会を変えるため、お金を生かし、育てる方法のヒントが詰まった1冊だ。 イェール大学卒業後、三井物産から落語家へ──。スーパーエリートから、まったく新しい分野へ身を投じた落語家の立川志の春さんの生き方は、じつに鮮やかであり、軽やかだ。変化が求められる時代、経済的にも安定しながら、直感に従って、自分の新たな可能性を生きる秘訣、後悔しない人生の選び方とは? また、大手百貨店に2年勤めた後、出家の道を選んだ禅僧の南直哉さんは、仏教界きっての論客。30年以上にわたる修行から見えてきた“お金の本質”とは何か。世代を問
「いま、全国のミニシアターを最も巡っている映画監督は誰か」と問われたら、多くの映画人が入江悠監督の名前を挙げるだろう。 1年半以上の新型コロナウイルス感染拡大によって休業や営業制限に追い込まれた映画館の中でも、規模が小さく経営的にも難しさを抱えているのがミニシアターだ。入江悠監督は、このミニシアターの苦境を救うために、コロナ禍にもかかわらず、一本の、少し不思議な映画を作ることになる。それが新作『シュシュシュの娘(こ)』(8/21公開)だ。入江監督自身の出資とクラウドファンディングによって製作された同作は、従来とは違って、上映したいと手を挙げたミニシアターすべてで一斉に上映される。 寄付やグッズ販売など、ミニシアターを救う手立てがいくつか考えられる中、なぜ新作映画を作ってミニシアターで上映することにこだわったのか。この異例とも言うべき新作製作と上映形式について、全国のミニシアターを巡りながら
文:福アニー、写真:松嶋愛 穂村弘(ほむら・ひろし) 1962年、札幌市生まれ。歌人。85年より短歌の創作を始め、90年に『シンジケート』でデビュー。2008年には『短歌の友人』で伊藤整文学賞、17年には『鳥肌が』で講談社エッセイ賞を受賞。18年、17年ぶりの歌集『水中翼船炎上中』で若山牧水賞を受賞した。ほか、歌集『手紙魔まみ、夏の引越し(ウサギ連れ)』、詩集『求愛瞳孔反射』、エッセイ集『世界音痴』など著書多数。 町田康(まちだ・こう) 1962年、大阪府生まれ。作家、パンクロッカー。町田町蔵の名で歌手活動を始め、81年にパンクバンド「INU」の「メシ喰うな」でレコードデビュー。96年に初の小説『くっすん大黒』を発表、翌年のドゥマゴ文学賞と野間文芸新人賞を受賞した。以降、2000年『きれぎれ』で芥川賞、05年『告白』で谷崎潤一郎賞を受賞。『土間の四十八滝』『権現の踊り子』『パンク侍、斬られ
やまざき・はじめ/1958年、北海道生まれ。東京大学経済学部卒業。現在、楽天証券経済研究所客員研究員。株式会社マイベンチマーク代表取締役。東京大学を卒業後、三菱商事に入社。野村投信、住友生命、住友信託、メリルリンチ証券、パリバ証券、山一証券、明治生命、UFJ総研など、計12回の転職を経験。コンサルタントとして資産運用分野を専門に手掛けるほか、経済解説や資産運用を中心に、メディア出演、執筆、講演会、各種委員会委員等を務めた。2024年1月1日、永眠。 山崎元のマルチスコープ 旬のニュースをマクロからミクロまで、マルチな視点で山崎元氏が解説。経済・金融は言うに及ばず、世相・社会問題・事件まで、話題のネタを取り上げます。 バックナンバー一覧 オトナのマネーの世界は「汚い」 4月も第3週に入った。新社会人も少しオフィスに慣れた頃ではないだろうか。今回は、特に新社会人の皆さんに「オトナの世界のマネー
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