実は、ウィスキーの樽熟成をするまでには、何年も考えました。 海外で、同様のおいしいビールはたくさんあるわけで、やってみたいという興味はずっとありました。 でも、一方で、「樽の個性を借りるだけじゃないか?」「極論すると、ウィスキーで割ればいいんじゃん」みたいな部分がずっと気になっていて、手を出さずにいったのです。 伊知郎さんにお会いして、そんな点をぶつけてみると、 「そんなこといったらぼくら全部そうですよ。つかう樽の影響を必ずうけてるわけですから。」 ああ、そうか。 言われてみたら当たり前のことだけど、なんかそれでスッキリしました。 いろんな要素を組み合わせて、与えられた状況で最善をつくして、長い時間をかけて結果をまつ。 やってみないとはじまらないし、いい味を求めて努力してはじめておいしいものができる。 じゃあ、やってみよう。 というわけで、すぐに樽を送ってもらい、仕込んだのがTHE FAR