金原ひとみさん=篠塚ようこ撮影 40代は自分の限界を定めてしまう年代 ――本作は、毎日同じような食事をし、同じような服を着て、ルーティンに忠実に生きる45歳の事務職・浜野文乃が主人公。20代の平木さんというパリピ編集者と出会い、新しい世界へ引っ張り出されます。昭和世代とZ世代のコラボレーションを描いた理由は。 私には中高生の2人の子どもがいるのですが、彼女たちと向き合うとき、宇宙人と向き合っているような感覚があるんです。昨年書いた『腹を空かせた勇者ども』(インタビュー、書評)では、世代間の対話の不可能性みたいなものがテーマだったのですが、「こいつらワケわかんねえ」と切り捨てるわけにもいかないので、大事に思っているものが違っても一緒に生きていく、共存していくことの可能性を探りたいと思いました。 ――『腹を空かせた勇者ども』の「勇者」は子世代を指しているのに対し、『ナチュラルボーンチキン』の「