「創業者」から「住所不定無職」に 既存の秩序をネットが破壊し、金融、流通、製造、サービスの全ての分野で、新たな創造の担い手を目指して若者が起業、それを後押しする新興市場が創設された20世紀末、「ネットの宅配」というビジネスモデルで起業したのが花蜜伸行氏である。 高校卒業後、21歳でバイク便の会社を起こしたものの、バイクで運んでいたCDロムや版下が、ネットを通じて「添付ファイル」の形で送れるようになった時、時代の変化を感じとった花蜜氏。映画『ザ・インターネット』でピザをネットで注文するというワンシーンをヒントに、99年9月、30歳で「夢の街創造委員会」という会社を立ち上げ、現在の日本最大の出前ポータルサイト「出前館」の礎を築いた。 夢の街創造委員会は、06年6月、ヘラクレス(現ジャスダック)に上場、それまでに経営はスカウトした中村利江社長に譲り、ビジネスの出会いを活発化させる日本元気丸を創業