鳴門の渦潮は自然のものだから、見えるときも見えないときもある。 けれども美術館なら、いつ来ても見てもらえる――。瀬戸内の潮風を浴びながら、 創設者のそんな思いが託された美術館が威風堂々と立っています。 四国に陶板画による美術館があるという話は、どことなく聞いていた。陶板画というと皿絵などの創作を思いうかべるが、よく聞くとそうではなくて、泰西(たいせい)名画を陶板画の方式で再現した美術館だ。 何故陶板画? と思ったが、美術陶板というのは耐久性が抜群だという。ふつう美術作品は壁に描いたフレスコ、キャンバスに描いた油絵、あるいは板や紙など、ほとんどが劣化しやすい素材ばかりだ。それに比べて美術陶板は、たとえ水がかかっても陽に晒しても大丈夫、耐久性は抜群である。 だからもし仮に、世界中の名画が火災や何かでなくなったとしても、この大塚国際美術館にある生き写しの名画は半永久的に残される、という話も聞いた