ベアリング大手の日本精工が風力発電事業を拡大している。同社は風力発電単体の売上高を公表していないが、2009年3月期はおよそ200億円。毎年2ケタの割合で伸びている。 同社が製造しているのは、羽根の回転力を電力変換するための増速機向けベアリングだ。増速機は風力発電機のコスト全体の60%を占めると言われる。 直径2メートル、耐用年数は20年 そのベアリングは、大きいものだと直径が2メートルほどある。しかも、20年間の耐久性が求められることから、技術的なハードルは高い。スウェーデンSKFと独シェフラー、日本精工が市場を3分している。 同社の産業機械事業本部長である建部幸夫専務は「世界トップクラスの風力発電機メーカーのほとんどにベアリングを納めている」と胸を張る。ゴールドウィングなどの中国メーカーにも納入しているという。 ただ、ベアリング3社の中では日本精工が最後発だった。欧州中心に風力発電市場