バブル崩壊後の不況に直面した就職氷河期世代。1993~2004年に高校や大学等を卒業したこの世代は未曾有の就職難のなか社会に出て、現在30代終わりから50代前半になっている。不況がこの世代に与えた影響は大きく、2024年10月の衆議院議員選挙でも論点の一つとなった。この世代について、経済学の観点から分析した『就職氷河期世代 データで読み解く所得・家族形成・格差』が反響を呼んでいる。著者の近藤絢子さんに話を聞いた。 ――刊行から1ヵ月も経たずに重版が決まるなど、本書は好評を博しています。反響をどのように感じていますか。 近藤:多くの方に手に取っていただけて大変ありがたく思っています。実は、アマゾンなどのレビューやSNS上の反応は怖くてあえて見ないようにしているのですが、同業の知り合いから評価する感想を直接いただいたり書評を書いていただいたりして感謝しています。 あと、特にうれしかったのが、厚