〈ニセ活仏として約43億円を荒稼ぎ…日本では報じられない中国の面白すぎるB級ニュース〉 から続く 【写真】この記事の写真を見る(4枚) 広大な中国では地域によって話す言葉が違う、と思われがちだが実態は……。大宅賞作家・安田峰俊の新著『 民族がわかれば中国がわかる 』より一部抜粋。日本人が知らない現代中国の方言事情を紹介する。(全2回の後編/ 前編 を読む) ◆◆◆ 「中国語ができるって、北京語と上海語のどれを話せるの?」 日本ではときおり、年配の人からこうした質問を受けることがある。現代中国では標準中国語の普通話さえ話せれば、全国ほぼどこでもコミュニケーションが可能だが、いまなお世間の誤解は大きい。 誤解の一因は、戦前・戦中期の日本の軍人や商人を悩ませた「方言」の記憶もあるのだろう。すなわち、標準語が普及するまで中国各地の庶民のあいだで日常的に話されていた口語のことである。 日本語の関西弁