借金中毒な実態 孫の業績を評価する際には、通信事業会社を統括する上場企業「ソフトバンク」と、グループ企業を傘下に置く持株会社で大口投資事業を行う「ソフトバンクグループ(ソフトバンクG)」を区別することが肝心だ。 検索サイトや無線通信サービス会社ソフトバンク(旧称ソフトバンクモバイル)といった事業は大成功し、儲けを出してきた。スプリント買収も、当初は失敗だと言われたが、Tモバイルとの合併で利益を出している。 とはいえ、孫がつねに関心を向けてきたのは、利益ではなく成長だ。ソフトバンクGはかねてから負債(レバレッジ)比率が高い。つまり、資本構成に占める負債の割合が大きいということだ。世界企業の借金ランキングで上位10位に入ることもあり、2021年にインフレが再燃して以降は苦しい立場に立たされている。 孫正義はソフトバンクGの大株主で、保有株を担保にしている。仮に、ソフトバンク株が急落して担保価値