10月7日、東京・六本木のホテルに、世界最大の食品メーカー、ネスレの幹部が集まった。アジア・オセアニア・アフリカの12カ国のトップら約25人が、ネスレ日本の高岡浩三社長からヒット商品を生み出す極意を学ぶためだ。 高岡社長は、ネスレ本社から「チーフ・イノベーション・オフィサー」としての役割を期待されている。スイスにある本社に常駐せずに、本社役員に近い立場に就くのは同社の歴史でも前例がない。ネスレの「ネスカフェ」「キットカット」という70年以上の歴史を持つロングセラーを成熟市場の日本でさらに進化させ、ネスレの中でトップレベルの収益性を誇る事業へと飛躍させたことが評価されてのことだ。 高岡社長が考える、ロングセラーの鉄則とは何か。日経ビジネスは本誌11月2日号特集「俺の100年ヒット論」では、13人の経営者にインタビューをした。NBOでの連載7回目は、本誌が組織した「100年ヒット育成委員会」の