階段状のステージの上に現れた美空ひばりさんの姿に、年の瀬のお茶の間はどんな感想を抱いただろうか。 年末の恒例番組、NHK紅白歌合戦。2019年末の紅白の目玉の1つは、国民的歌手として今なお親しまれる故・美空ひばりさんをAIとCGで復活させた「AI美空ひばり」の“出演”だった。ステージに登場したときには、Twitterを始めとするSNS上でも話題となった。 エンターテインメントとしての注目度も高いが、このAI美空ひばりの誕生は、テクノロジー的側面でも「デジタルヒューマン」の方向性を決定づける可能性を秘めている出来事だ。 AI美空ひばりは、ディープラーニング(深層学習)の手法を使って、過去の音源や音声ファイルなどから、歌声、歌い方の特徴を再現するヤマハの「VOCALOID:AI」が採用された。そのため、アップルの「Siri」やアマゾンの「Alexa」などの音声アシスタントのように、声に反応して