釧路市役所の憲法前文で考える 釧路市役所玄関に日本国憲法前文のボードが置かれている。昔からあるようだが、「当然」が続くと、その有り難みが薄れるのが人の常。そんなことでは市役所もボードも憲法自体も切ないと思い、以下に気づきのために記しておきたい。 まずは憲法制定時に議会自ら、2箇条を実質的に追加した事実である。それは憲法第17条(国及び公共団体の賠償責任)と、第40条(刑事補償)。国会図書館HP画像で、当初改正案と修正を見比べれば分かる。実は戦前は国家無答責という考えがあり、民法の不法行為規定を使って工夫したが限界があった。この2箇条を挿入したのは、国民に塗炭の苦しみを与えた反省と無縁ではなかろう。そして、憲法に書かねば変化なしと考えたからだろう。国が過てばせめて国民に償う形で謝れ、という発想と理解できる。GHQも考えぬ規定ができた背景を思い起こす必要があろう。 欠かせぬ不断の努力 次