委員会の皇室典範改正勧告を論じる各紙社説 ◇社会学的皇室ウォッチング!/134 これでいいのか「旧宮家養子案」―第36弾― 国連女性差別撤廃委員会(CEDAW〈セダウ〉)が、女子を皇位から排した皇室典範の改正を求めたことに対して、メディア報道は精彩を欠く。保守派の評論ばかりが目立ち、国際機関による勧告をリベラルな立場から取り上げる報道が少ないのだ。日本の言論はいつからこのように貧困になったのだろうか。(一部敬称略) 11月5日付の『読売新聞』社説「皇室典範に勧告 歴史や伝統を無視した発信だ」が象徴的だった。この社説は、「皇位継承のあり方は、国家の基本にかかわる事柄である。見直しを国連の名の下に、付属機関で活動している個人が要求してくるとは、筋違いも甚だしい」で始まる。それこそ筋違いではないか。 CEDAW委員は「徳望が高く」かつ「条約の対象とされる分野において十分な能力を有する23人の専門