<ハリケーンの壊滅的被害から復活を遂げた原動力は、この町の独自の死生観と個性的な文化を生んできた住民の力強さ> ジャズ発祥の地で知られる米南部のニューオーリンズ。強烈な個性を持つこの町では「文化は上から降りてくるのではなく、道端から湧き上がる」と言われる。 写真家のアカシャ・ラブットは、10年にわたり町と住民を撮り続け、写真集『デス・マジック・アバンダンス』にまとめた。追い掛けたのは、個性的な町の文化を道端から生み出してきた個性的な人々。黒人女性だけのバイククラブ「キャラメルカーブス」のメンバーは、ピンクの煙を吐く大型バイクにまたがり、現代のカウボーイチーム「サザンライダーズ」は町なかで馬を乗り回す。 そして毎週日曜に行われる、ブラスバンドを中心としたパレード「セカンドライン」。町を音楽とダンスで埋め尽くす催しで、ジャズ葬と呼ばれる葬儀パレードが発祥だ。 ニューオーリンズは2005年のハリ