福岡市職員(当時)が飲酒運転をして3児を死亡させた事故から25日で10年になる。市は、飲酒不祥事の処分を厳しくしたり、異例の「自宅外禁酒令」を出したり撲滅に向け手を打ってきたが、事故以降も16人が飲酒絡みの不祥事で逮捕・摘発された。中でもアルコール依存症や依存傾向の強い職員への対策は手探り状態が続く。時の経過とともに職員の危機感の低下を懸念する声もあり、不断の取り組みが求められている。 【画像】左に広がる真っ暗な海で、3人の幼い命は失われた。時折猛スピードの車が走り抜ける 「申し訳ありません…」。13年春、道交法違反(酒気帯び運転)容疑で逮捕、略式起訴され懲戒免職処分となった50代の職員は、消え入るような声で辞令を受け取ったという。アルコール依存症で通院し、一時は酒を断っていたが、事故直前、家族が離散したのが原因で再び酒に手が伸びた。懲戒免職になれば、退職金は支払われず、次の職探しも困難