著名人の発言や企業のPR、メディア記事などに、ポリティカル・コレクトネス(政治的な公正さ)への配慮が欠けていると見なされるや、一斉に糾弾される風潮にある昨今。ウェブ上では、毎日のようにポリコレを錦の御旗とした“炎上”が勃発している。その渦中で異色の存在感を放っているのが、現代美術家の柴田英里氏。彼女はいったい何を思って世の中を挑発し続けるのか。【前半記事】(※このインタビューは2021年4月に行われたものです) ポリコレに異論を唱える理由 ――「ポリコレ」という言葉を誰もが意識せざるを得ない社会状況の中で、柴田さんは、そこに異論を呈している印象があります。 柴田英里(以下、柴田) ポリコレの裏の目的をみんな語らなすぎるんですよ。例えばアメリカのプラスサイズ問題。アメリカって肥満と過体重を合わせると人口の7割を超えるんですよ。だからそもそも「普通」の体型の人なんていないじゃないかっていう話で