『レスポンシブル・カンパニー』(イヴォン・シュイナード+ヴィンセント・スタンリー著、井口耕二訳、ダイヤモンド社)は、アウトドア・ブランド「パタゴニア」の創業者であり、2007年に『社員をサーフィンに行かせよう ── パタゴニア創業者の経営論』で話題を呼んだ著者の新作。前作が経営哲学を説いていたのに対し、本書がクローズアップしているのは「企業の責任」。具体的にいえば、 「最高の製品をつくり、環境に与える不必要な悪影響を最小限に抑える。そして、ビジネスを手段として環境危機に警鐘を鳴らし、解決に向けて実行する」(4ページ「日本版への序文」より) というミッションステートメントを軸に、地球環境の保全と、高い品質をともに実現することの重要性について書かれています。きょうはオーナー、社員、顧客、地域社会、自然という五種の利害関係者に対する事業責任について語られた第5章、「経営責任とは」に焦点を当ててみ