愛媛県今治市の正栄汽船が所有する大型コンテナ船がスエズ運河で座礁した事故は世界の注目を集めました。日本時間3月29日夜、何とか離礁に成功し、1週間近く続いた足止め状態は解消されましたが、物流が平常の状態に戻るにはまだしばらく時間がかかるとみられています。事故の原因についてはエジプトのスエズ運河庁が調査を行っています。これまでに明らかになったデータと取材から事故原因の可能性と責任問題についてみていきます。(松山放送局記者 的場 恵理子 武田 智成) 海難事故や船の安全対策に詳しい専門家が松山市にいます。海事補佐人の鈴木邦裕さんです。 海事補佐人とは船の衝突事故などが起きた際に開かれる海難審判で弁護士役を務める専門家で、鈴木さんはおよそ40年にわたって国内外の海の事故を調べてきたエキスパートです。 全長400メートルの巨大なコンテナ船はなぜ浅瀬に乗り上げたのか。当時の状況を調べるため鈴木さんが
