4月1日。イズミ(広島県/山西泰明社長)の創業者である山西義政さんが逝去された。享年97歳。徒手空拳の中から一代で同社を立ち上げた立志伝中の人物の人生は、激烈そのものだった。 イズミ創業者 山西義政さん 闇市での干し柿売りから、年商7321億円の大企業へ 大正11年(1922年)に広島県大竹市で生まれた山西さんは、昭和18年(1943年)に入隊。当時、世界最大と称された「伊400型」潜水艦に機関兵として乗艦していた。予定していた決死の作戦が台風により遅れたため、昭和20年8月15日を迎え、辛くも命を拾い帰還した。 しかし生き延びて戻られたとはいえ、原爆を浴びた広島市内は辺り一面が焼け野原。食うためには何かをせねばと、1946年、戸板に干し柿を並べ、闇で売り、本格的な商売の第一歩を踏み出した。伊400型に同乗していた戦友が農家で干し柿をつくっていることを思い出し、分けてもらったものだった。