白いクワスがようやく店頭に並び始めたが、今のところ販売の伸びに勢いはない。現代ロシア人にとってまったくなじみがないからだ。=Lori/Legion Media撮影 外国人がロシアでクワスを目にすると、コーラのようだと思うだろう。暗い色味、透明感、そして飲んでみると甘さもある。ところが「オチャコヴォ」工場が最近市場に投入したクワスは、白味がかっている。伝統的な金髪女性の髪の色とでも言おうか。 実は1千年以上の伝統の“食” 名称は見たままの白いクワス。つくり方は、1000年前から存在していた古代ロシアのレシピに近い。このレシピは19世紀末まで残っていた。「ロシアの 農民はその昔、畑を歩く時には、白いクワスの入った壺とパンの欠片を持参していた。ただパンがなくても十分。クワスの原料はパンだから」と、「オチャコ ヴォ」工場クワス博物館のエヴゲニー・シャチロフ館長は説明する。 20世紀はそれまでの帝