3年前、東日本が大津波で壊滅的な被害を受けたさい、首都圏のサラリーマン諸氏までが「自粛バージョン」であった。テレビCMは地味な映像を流し、夜の巷(ちまた)は閑古鳥が鳴いた。これでは経済が回らず、「自粛不況」で被災地の復興支援もできない。「元気な企業や人は街に出てカネを使おう」とコラムに書いたら、「不謹慎だ」と一部からお叱りを受けた。 大勢に逆行することを口にするのは難しい。仮の話ではあるが、「原発ゼロ」を訴えた元首相の細川護煕さんや小泉純一郎さんが、都知事選の敗北を受けて「反原発は誤りだった」と容認に転向したらどうだろう。小欄は歓迎するが、支持した人々は裏切られたと激怒するに違いない。 それでも世界には、公益のために前言訂正に踏み切る勇気ある人々がいる。世界的に著名な環境保護活動家の中から、「やはり原発を推進しないと、地球温暖化や人口増加に対応できない」と転換した人々が出てきたのだ。 原発