中国は共産党が考えている以上に長い間、欧州より貧しかった。これは習主席の「中国の夢」にどんな影響を及ぼすのか。 中国の習近平国家主席は、自分自身の「中国の夢」について語るのが好きだ。何でも、「中華民族の偉大な復興」を夢見ているという。 習氏にとっては、これは中国が共産党の指揮下で、「屈辱の100年」――第1次アヘン戦争(1839~42)後の100年間に中国が見舞われた経済的惨事と外国による領土略奪のこと――以前と同じように世界で最も裕福で最も強い国に返り咲くことを意味する。 その延長線上で考えるなら、共産党の正統性はこの復興次第ということになる。しかし、1839年以前の中国が世界で最も裕福な国でなかったらどうなるだろうか。中国が欧州より貧しかった時期が175年間ではなく675年間だったらどうか。それでも習主席の「中国の夢」は大きな魅力を持つだろうか。 オックスフォード大学のスティーブン・ブ