リーマン・ショック後の世界経済で高成長を謳歌していた東南アジアにも、欧州と中国の失速による不安が広がり始めている 長いこと世界経済の主流から外れていた東南アジアも、今では外国人投資家によく知られた存在だ。世界金融危機の後遺症で景気が低迷している欧米諸国や、高成長の調整局面を迎えた中国やインドなどを尻目に、東南アジア諸国はここ数年、大きな成長を遂げてきた。 東南アジアの潜在力とそれを実現する能力への信頼が深まるにつれ、成功が成功を呼ぶ好循環が始まった。インドネシアはもう少しで東南アジア初の1兆ドル経済になろうとしているし、国債の格付けも11年には14年ぶりに投資適格級に格上げされた。 マレーシアやタイでは製造業が活況を呈し、フィリピンはIT業務などのオフショアリング先としてインドに迫ろうとしている。今年第1四半期のGDP成長率は7・8%とアジアでトップクラスだった。 だが、すべてがうまくいっ
北海道に住んでいる人ですら、「歌登(うたのぼり)? 地名は知っているけど、さてどこだっけ・・・? 」と地図を見ないと場所の見当がつかない。札幌に住んで丸3年の私の場合は、その地名すら聞くのが初めてであった。そんな場所にタイ人観光客が宿泊をして大満足をしているという。いったい、どういうからくりがあるのだろうか。 テレビ北海道の「けいざいナビ北海道」という番組では、毎週北海道の経済ネタをもとに構成しており、私はそのメインキャスターを務めている。毎回興味深いネタが登場するが、なかでも今回のタイ人観光客の話は本州のほかの観光地にも参考になる部分が大きいと思われるので紹介したい。 北海道の観光地と聞いて思い浮かべるのはどこであろうか。小樽、函館、旭山動物園、札幌、ニセコ、富良野、美瑛、網走監獄、流氷見学ツアーなどがパッと思いつくはずだ。 今回取材したタイからの観光客のご一行も小樽、札幌、旭山動
(英エコノミスト誌 2013年4月6日号) フィリピン列島がこれほど信用力を増したことはない。 新興国の多くは、輸出と輸入の格差を埋めるため外国の債権者に依存している。フィリピンの場合は少々事情が異なる。海外の雇用主に依存しているのだ。 労働人口のざっと4分の1に相当する1000万人超のフィリピン人が、世界200カ国以上の国々で恒久的または一時的、合法的または違法に生活もしくは就労している。彼らの送金は国内総生産(GDP)の8.5%に相当し、フィリピンが貿易赤字を埋め、800億ドルを超す外貨準備を積み上げるのに一役買っている。 今や立派な対外純債権国 その結果、フィリピンは単なる労働力の純提供国ではなく、世界に対する純債権国にもなった(図参照)。 こうした堅固な対外収支は、格付け会社のフィッチが3月28日にフィリピンに同国初の投資適格級の信用格付けを与えた理由の1つだ。 投資適格級への格上
(2012年10月11日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 交通渋滞に悩むインドネシアの首都ジャカルタに、車が数珠つなぎになって動かない長蛇の列が良い兆しである場所が1つある。タンジュンプリオク港の自動車ターミナルだ。 日本の自動車メーカーが東南アジアの他の新興国やアフリカ、中東を開拓するために、インドネシアの強力な製造拠点を足場にしており、このジャカルタの主要港は輸出の急増に対処するのに苦労しているのだ。 6割近い伸びを見せる自動車輸出 「ワクワクしますね」。自動車ターミナルの責任者ビモ・ウィディアトモコ氏は、日本企業が所有する自動車輸送船「ペガサスエース」号がマレーシアに向けて出港する前に、ダイハツ工業、ホンダ、トヨタ自動車がインドネシアで生産した新車1000台の最後の1台を積み込むのを見ながらこう話す。 「自動車メーカーが生産を増強しようとしているのを知っていましたから、このターミナ
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