モノづくりのライフサイクル全般にかかわる管理手法、経営手法、IT活用などから「世界で勝つ製造マネジメント」を実現する問題解決フォーラム
モノづくりのライフサイクル全般にかかわる管理手法、経営手法、IT活用などから「世界で勝つ製造マネジメント」を実現する問題解決フォーラム
『日経ものづくり』2008年10月号の作業が佳境を迎えています。私が今回担当したのは,エスカレータ逆走に関する記事。ご承知の通り,今年5月に名古屋市の市営地下鉄久屋大通駅で,8月には東京都江東区の東京ビッグサイトでエスカレータが逆走する事故が発生しました。その原因を探るべく,エスカレータの設計やメンテナンスに携わった複数の技術者に取材してまとめています。詳しくは,ぜひ9月末にお手元に届く本誌をご覧ください。さて,本ブログではその一部の先出しとして,今回の取材を通して感じた不思議を採り上げます。それが,タイトルにした「乗れるのに,乗ってはいけない」とする業界の論理です。 どういうことかというと,エスカレータの設計基準を示した建築基準法施行令第129条には,エスカレータの踏段(ステップ)の積載加重という基準が定められていますが,その数字から計算すると,踏段1枚当たりに乗れる人数が大人約1.5人
「Microsoft本社の重役の『スコアカード』(業績を評価する指標)に,今回初めて『品質』が加わった」--。マイクロソフトの樋口泰行社長(写真1)は2008年8月26日,横浜市で開幕した「TechEd 2008 Yokohama」の基調講演で,同社が品質改善に力を入れている象徴の一つとして,重役の評価基準に変更があったという逸話を明らかにした。 マイクロソフトは2008年4月に,日本のITエンジニアに対して「日本語の技術資料を増やす」「製品の品質改善要求をMicrosoft本社に要求する」といった「約束」を提示している。その中でも,「品質に対する要求は日本が一番高い」ことから,品質改善に力を注いでいるという。日本法人と本社のコミュニケーションを密にし,品質改善のフィードバックを従来にも増して行うようにしたところ,本社の重役の業績も,製品の品質によって評価されるようになったという。もっとも
2005年12月にみずほ証券がジェイコム株の誤発注で出した損失を巡って東京証券取引所を訴えた裁判の第10回口頭弁論が2008年7月25日、東京地方裁判所で開かれた。原告のみずほ証券側は、「取消注文の仕様について株式売買システムの要件定義書には『現行と同一』とだけ記載してある。これでは要件はなんら定義されない」と改めて主張する準備書面を地裁に提出した。 みずほ証券の今回の準備書面は、「誤発注を取り消しできない不具合は要件の誤りでなくバグであり、(開発ベンダーの)富士通に責任がある」という東証の主張に反論したものだ。東証は「要件定義書に業務要件は適切に記述してある。富士通が、記載した業務要件を満たす詳細設計ないしプログラミングをしなかった。いわゆるバグだ」としている。 このような東証の主張に、みずほ証券は「訴訟のこの段階になって突如として不合理な反論をしてきた」と述べた。「東証が過去に提出した
気象庁は7月14日、同日夜の緊急地震速報で誤った情報を配信したと発表した。千葉県銚子沖で最大震度2の地震が発生したが、「千葉県銚子市付近、最大震度5弱以上」との速報を出してしまった。 誤った情報が流れたのは、銚子市天王台の地震計が加速度10ガル以上で速報を発信する誤った設定になっていたため。震度2の地震で12ガルを観測し起動してしまった。通常は1つの地震計が100ガル以上を観測した際、「最大震度5弱以上と推定」との第1報を発表することになっている。 気象庁は19時41分16秒に誤った第1報を配信し、約10秒後の第2報で「最大震度2程度以上と推定」と修正した。この影響で東京都営地下鉄など緊急地震速報を受信している一部の事業者に影響が出た。誤報を出したのは特定の企業や団体に向けた「高度利用者向け」で、テレビや携帯電話など一般向けには影響がなかった。 今回の問題を受け気象庁は銚子市にある地震計の
変換方法によって視点の移動は大きく異なる。長文一括変換はキーストロークは少なくて済むが、逆方向への視点移動が大きく、一度に確認しなければならない変換結果も長い 最近、MS-IMEがおかしい。 日本語入力において、未確定文字入力後にどれくらいの頻度で変換を行うか、どうやって確定させるか、といったかな漢字変換の操作は、慣れが大きく関係してくる。つまり、変換の操作に正しい方法というものが存在するわけではない。例えば、筆者の場合は文節ごとに変換を行い、ひらがなはそのまま無変換確定、カタカナはF7で変換し、半角英数字は日本語入力をオフにしてから入力、と人間のほうがIMEに歩み寄るクセがついている。これは頻繁に確定を行うことで右から左という逆方向の視線移動を極力短くし、思考の寸断を防ぐためだ。 筆者の周囲を見る限りは、このような入力方法をとる人は少なくない。そうやって無意識のうちに、候補が複数あるか、
住友信託銀行で2008年5月19日の朝8時30分から約5時間にわたり発生したシステム障害の原因は、ATMなどの接続台数にかかわるパラメータの設定ミスだったことがわかった。住友信託銀が同日発表した。営業店端末の更改に伴う事前作業に不備があった。 住友信託銀は6月から、本支店の営業店端末を新機種に刷新する計画だった。これに先駆け、900台の新端末の情報を「端末定義テーブル」に追加する作業を5月18日に実施した。端末定義テーブルとは、営業店端末やATMなど、勘定系システムに接続する端末や外部接続先の情報を一元管理するファイルである。 このテーブルに900台の情報を追加したところ、端末数がパラメータで定めた上限値を超えた。これにより、5月19日のオンライン起動直後から、自社のATMやコンビニATM「E-net」が勘定系システムに接続できなくなった。ATMや営業店端末などは、起動した順に勘定系と接続
「マルチスレッド・アプリのミスは忘れたころに露見する」米Coverity社のCEOが語る 米Coverity CEO Seth Hallem氏 ソフトウエア解析ツールの専門メーカーであるコベリティ(Coverity)は2008年5月12日,マルチスレッドのJavaプログラムを動的に解析するツール「Coverity Thread Analyzer for Java(以下Thread Analyzer)」を日本国内向けに6月から販売開始すると発表した。これに合わせて米国本社のCEOであるSeth Hallem氏(写真)が来日し,日経ソフトウエア誌のインタビューに答えた。 Thread Analyzerは,マルチスレッドのJavaプログラムを動作させながら解析して(動的解析),マルチスレッド・プログラム特有の問題点を検出する。具体的には,複数のスレッドが同時に同じメモリー領域にアクセスしてデータ
会期:4月29日~5月1日(技術講演会のみ、現地時間) 会場:米国アリゾナ州Hyatt Regency Phoenix at Civic Plaza 2008 IRPSでは、複数のビットが反転するタイプのソフトエラーに関する講演が相次いだ。ソニー、STMicroelectronics、IBM、Intelがそれぞれ、研究成果を発表した。 ソフトエラーとは半導体チップの一部が壊れるのではなく、記憶しておいたデータの一部だけが反転してしまう不良である。電子回路そのものは正常に動いているので、データを書き直せば、そのまま普通に使用できる。不良が発生したからといって、半導体チップを交換する必要はない。 ソフトエラーは、アルファ線や中性子線、陽子線、重イオン線などの粒子線が半導体チップに突入することで引き起こされる。粒子線の突入によって電荷および電流が発生するため、データが書き換えられてしまうのだ。半
明日5月3日から始まる4連休の最終日である2008年5月6日火曜日に、システム障害が発生する恐れがあることが分かった。この日は5月4日の「みどりの日」の振替休日。だが、自動運転ソフトなどが保有するカレンダー情報を更新していない場合、平日の設定になっている可能性がある。休日と平日で実行するバッチ処理の種類やオンライン・システムの運転時間を変えていると、休日にもかかわらず平日の処理を実行することになるので注意が必要だ。 5月6日を平日と誤認するのは、2007年1月1日の「祝日法」改正を反映していないケースだ。法改正では、5月4日が「みどりの日」として祝日になり、振替休日に関するルールも変わった。 5月4日が祝日となったことの影響範囲は広くない。改正前も「祝日と祝日の間の日は休日にする」という条件に該当するために休日だったからだ。が、休日と祝日を区別しているシステムでのみ、注意が必要だ。 影響が
“馬鹿の一つ覚え”という言葉は、三菱東京UFJ銀行の情報システム統合に関する新聞やテレビの報道にふさわしい。同行が3年前の2005年2月に、旧東京三菱銀行のシステムに一本化することを決めて以降、マスメディアは開発を進める同行の足を引っ張る報道を繰り返している。この5月からいよいよシステム一本化作業を始める同行にとって、最大のリスクはマスメディアの報道姿勢と言っても過言ではない。 システム一本化を巡るマスメディアの論調は、「統合作業に不安が残り失敗して大混乱が起きるかもしれない、その場合経営トップは責任を取るべき」「仮に成功したとしても、総額3300億円というシステム投資は多すぎる」というものだ。そして、統合作業を難しくし投資増を招いた原因として「旧UFJ銀行のシステムを残さなかった」ことを挙げる。UFJ銀のシステムではなく東京三菱銀のそれを選んだ前後に指摘するならまだしも、3年も経ち一本化
落ちないシステムなどない----。ITプロフェッショナルにとっては当たり前だ。冗長化していても「RAIDのコントローラそのものが故障してデータ復旧に2日徹夜した」などと目も当てられない話も聞こえてくる。要件のあやふやさやテスト不足によるバグも無くなりはしない。だが,ITプロフェッショナルはこの本音を“タブー”としてひた隠しにしている。 あるユーザー企業で基幹システムを担当する情報システム部長は口にする。「利用部門は100%の稼働率を前提にしている。だが現実としてコストも限られている。100%の稼働率を保証するのは無理で,落ちないシステムなどない」。部長は続ける。「稼働率では利用部門と話せない。落ちるのは確率の問題で,例えば『今後3年の間のどこかで5時間ダウンするかもしれませんし,しないかもしれません』と利用部門に説明したところで『困る。どうにかしてくれ』の一言が返ってくるだけ。我々は100
「グローバリズムの結果」:航空機の偽造部品が米軍で深刻な問題に 2008年4月10日 経済・ビジネス コメント: トラックバック (0) Dan Dupont Photo: U.S. Air Force 国防関連ニュースサイトの『InsideDefense NewsStand』は3月下旬、米国の軍部を悩ませている問題について報告している。複数の倉庫で偽の部品が見つかり、それらが空軍と海軍の航空機にも紛れ込んでいるというものだ。 米国防総省の関係者によると、未確定の数の偽造航空機部品が供給倉庫に入り込み、それらが兵器システムに取り付けられているという。これにより、安全性に対する新たなリスクが生じ、メンテナンス費用が年間数億ドルも上昇している可能性があるという。 こうした問題は予期せず発生したものだが、その原因は、グローバリゼーションと、1990年代から開始された、民間の既製品の採用を奨励する
「中国は炭素繊維を造りたくて造りたくてしょうがないんですね。炭素繊維は航空・宇宙分野や軍事面でも重要な素材ですから。もう20年~30年は開発を続けているんですが,小規模なパイロットプラントではできても,何十トンという量産規模ではいまだにできていないんです」。 日経ものづくり4月号の特集「炭素繊維を使いませんか。」の取材で,ある炭素繊維メーカーの事業責任者はこう語った。この特集で明らかにしているように,炭素繊維は究極的な軽量化材料であるにもかかわらず,今まではコスト面で折り合わずになかなか用途が広がらなかった。これがこのところの環境問題や資源問題の深刻化で,費用対効果が急上昇してきたのである。この期待の星である炭素繊維で,日本メーカーはダントツのシェアを誇っている。 決して他国の企業が炭素繊維の製造に興味がなかったわけではない。1970年代から80年代にかけて,欧米メーカーが続々と参入してき
KDDI(au)と京セラは2008年3月28日、京セラが製造しKDDIが販売する「W42K」のバッテリーパックに不具合があったと発表した。バッテリーパックに強い衝撃が加わると、発火や破裂の恐れがある。KDDIに契約中のW42Kユーザー21万4349人を対象に、バッテリーパックの交換を呼びかける文書を送付する。 原因は、バッテリーパック内のバッテリーセルの製造元であるNECトーキンの設計ミス。ただし、発火や破裂などの報告が2007年10月から毎月KDDIに届いていたにもかかわらず、いったん「問題なし」と判断したことで、その後の被害が拡大。不具合発表までに、3件のやけど、2件の火災を含む13件の事故を起こすに至った。 バッテリーパックの交換対象は、W42K用のうち製造番号が「KY-YDA」であるものを除くすべて。具体的には表1の通り。「発売当初搭載していたKY-YDAの品種は問題ないが、その後
本当に危ないのは素人が中国で食品加工すること スーパーマーケットは中国冷凍食品の返品の山となり、横浜の中華街も閑古鳥が鳴いているという。その一方で手作りギョーザの皮が売れまくっている。自己防衛するよりほかない消費者の行動は理解できる。 だが「中国製品排除」の動きは一般市民にとどまらない。中国冷凍食品を製造、輸入しているメーカーには、スーパーマーケットなどの流通業者から既に納品済みの商品の返品依頼や、返品前の商品の契約破棄が相次いだ。 返品を拒否し続けるミホウジャパン 2月上旬、ミホウジャパン社長の高島順は対応に忙殺された。現場の社員は動揺し、社内も混乱したが、高島は頑として返品を拒否し続けた。 流通業者も気色ばむ。 「本当に安全だと言うなら、具体的な根拠を示してみろ」 早朝から深夜まで、流通業者から問い詰めるような要求が突きつけられた。ミホウジャパン社内は大混乱したが、高島は
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
処理を実行中です
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く