養鶏で生じる“厄介もの”の鶏ふんを活用し、漁獲量が激減している国産アサリを増やす事業に、養鶏や飲食業を手掛けるトリゼングループ(福岡市)が参入する。2020年夏から熊本県玉名市の漁業協同組合と有明海で進める実証実験で好結果を得ており、21年に同県内でアサリ養殖に乗り出す。鶏ふん由来の肥料の販売は全国展開も視野に入れている。 アサリ減少は水質改善に伴う海の貧栄養化が原因とみられている。同グループは鶏ふんから作ったブロック型肥料(直径25センチ、高さ25センチ)を海に入れて窒素やリンなどを補給、プランクトンを増やしてアサリの成長を促す技術を開発した。 ブランド鶏「華味鳥(はなみどり)」などを生産する同グループでは、約30カ所の養鶏場から年約2万トンの鶏ふんが生じる。グループ会社トリゼンオーシャンズは、鶏ふんを乳酸菌や酵母を使って発酵、腐熟させたブロック型肥料を製造。余計な菌やウイルスなどを含ま