2008年06月12日05:30 カテゴリ書評/画評/品評 掛け金を外す前に - 画評 - 家族八景(漫画版) なんとも不思議な絵だ。 家族八景(上下巻) 清原なつの / 筒井康隆原作 表紙を見た時には、「この七瀬はありえない」と感じたのだが、読了したら「納得」させられてしまった。 と同時に、「書評 - SF入門用ベストテン」で七瀬三部作を紹介してしまったことをちょっぴり後悔した。 「生七瀬」はあまりにも危険だから、だ。 本作「家族八景」は、七瀬三部作の第一作を漫画化したもの。そして七瀬三部作というのは、ヤバい作品ばかりの筒井康隆の作品にあって、もっともヤバい作品の一つである。 筒井作品の特長は、なんといっても神経直結度の高さである。筒井作品をひも解くというのは、単に「読む」という行為を超え、文字通り追体験となる。いや、どんな物語も追体験といえば追体験なのだが、これが筒井作品においては、単