【ニューヨーク=黒沢潤】南米ベネズエラでマドゥロ大統領の退陣を求める抗議デモが激しさを増している。マドゥロ氏の強権的な政治手法に加え、高インフレや物不足、改善の兆しの見えない治安への不満が高まっているためだ。マドゥロ氏は16日、デモを扇動しているとして、米外交官3人の追放処分を発表し、隣国コロンビアのウリベ前大統領にも批判の矛先を向けており、国民の不満をそらす「マドゥロ氏流のガス抜き」(外交筋)との見方も出ている。 ベネズエラの主要都市で続く反政府デモは12日、首都カラカスで警官隊と過激派が衝突、3人が死亡し、約60人が負傷した。約1万人が集結した18日のデモでは、有力野党指導者のレオポルド・ロペス氏が武装警察に連行されるなど、ここ数週間でジャーナリスト11人を含む100人超が拘束されている。 デモ激化の背景には、野党側が首長を務める地方自治体から、政権与党側が次々と権力を奪う強権の発動が