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今年の「#文学」
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世界中の大人たちが苦戦 先進国の5人に1人は、数的思考力と読解力に関して、10歳程度の子供たちに求められる以上の能力を有していない──経済協力開発機構(OECD)が10年ごとにおこなう「国際成人力調査」から、そんなショッキングな事実が明らかになった。 OECDは38の加盟国のうち、31ヵ国に住む16~65歳の約16万人を対象に「数的思考力」、「読解力」、「問題解決力」の3つを調査し、12月10日に結果を公表した。 OECDは報告書で、「ほとんどの加盟国において、大人たちの数的思考力と読解力は、過去10年間に大幅に低下したか横ばいの状態にある」と結論づけた。とくに読解力の低下が著しく、大幅な向上が見られたのはフィンランドとデンマークの2国のみだった。 フィンランドは読解力のみならず、全3分野で1位だった。日本は読解力と数的思考力で2位、問題解決能力ではフィンランドと並んで1位だった。他にも、
2024年、フランスで合弁会社を設立し、本格的なヨーロッパ進出に出たKADOKAWA。まだフランスでの知名度は高くないというが、仏誌「ル・ポワン」は、CEO夏野剛へのインタビューを掲載し、フランスの読者に同社を紹介する。 日本を代表する出版グループ、KADOKAWA。フランスではまだあまりその名は知られていないが、同社は全世界で7000人の従業員を抱え、年間売上高は20億ドル(註:2024年3月期の年間売上高は約2580億円)に上る企業だ。 24時間のフランス滞在中、取材に応じたKADOKAWAグループのCEO夏野剛(なつの・たけし)は、完璧な英語でこう説明する。「KADOKAWAは日本の出版業界の4強の一社です。他社に比べると、実写映像・アニメ、映画製作、動画プラットフォーム、ゲーム、オンライン教育など、多角的な事業展開をしています」。彼はNTTドコモの元幹部で、株式会社ドワンゴでもCE
K-POPアイドル推し活用のライトスティックを振りながら、尹錫悦大統領の弾劾を求める若者たち Photo: Ezra Acayan / Getty Images 大音量で流れるK-POPミュージック、ライトスティック、フードトラック、そしてお決まりの自撮り──。韓国で尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が12月3日に戒厳令を宣言して以降、国中で増えているデモが、意外なほどお祭りムードになっている。 10日夜、首都ソウルにある国会議事堂の外では、通り沿いにフードトラックが立ち並び、トッポギ(辛い餅炒め)やスンデ(血のソーセージ)、冬の楽しみであるポンテギ(茹で蚕)など昔ながらの軽食を売っている。 おもに若い女性のデモ参加者たちが振っているのが、ライトスティックだ。これは高価なLED機器であり、もっぱらK-POPのコンサートで推しのアイドルを応援するときに使われる。それぞれ異なるファン界に属してい
この数年のあいだで、英国の書店に入ったことがある人は気づいたはずだ。日本の小説が空前のブームであることに──。 日本の小説は、2022年の英国における翻訳小説すべての売上高の25%を占めたことが書籍売り上げデータサービス「ニールセン・ブックスキャン」の数字からわかっている。 その優勢は2024年、さらに目立っている。ガーディアンが入手した数字によれば、2024年の翻訳小説売り上げトップ40作品の43%が日本の小説だ。その第1位を飾ったのも、柚木麻子による、風刺的で社会意識の高い犯罪小説『Butter』(原題も『BUTTER』)だった。 『Butter』は2024年の「Books Are My Bag」読者賞のブレイクスルー作家賞も受賞した。この読者賞は書店が選書し、消費者が投票して決められる。 英国での現代日本小説の人気ぶりは、もちろん新しい現象ではない。しかし、英国で多種多様な日本人作家
米国では多くの学生がまもなく期末試験を終え、冬休みに入る。そんななか、母国に帰省する留学生や海外出身の教職員に対し、多くの大学が2025年1月20日のドナルド・トランプの大統領就任までに帰国し、大学に戻るよう勧告している。 米「ニューヨーク・タイムズ」はトランプが前政権時代、イスラム教徒が多数を占める7つの国からの入国に制限を課し、当時海外にいた数千人の学生が足止めにあったと伝える。その後、彼は渡航制限リストにさらに多くの国を加えた。トランプはホワイトハウスに戻り次第、これらの制限を復活させたいと明らかにしている。 「就任後すぐに渡航制限が発効されるだろう」とコーネル大学のグローバル・ラーニング・オフィスは11月、ウェブサイトに掲載した。「入国禁止令は、トランプの第一次政権で対象になった国々(キルギス、ナイジェリア、ミャンマー、スーダン、タンザニア、イラン、リビア、北朝鮮、シリア、ベネズエ
近年の円安に伴い、買春目的の訪日外国人客が増えているという。彼らが目指すのは、多くの少女たちが「客待ち」をしていることで知られる東京・歌舞伎町の大久保公園だ。「そのうち誰かが殺されてもおかしくない」と関係者が心配するほど危険な少女たちの日常を、香港紙「サウス・チャイナ・モーニング・ポスト」が取材した。 一般社団法人「青少年を守る父母の連絡協議会(青母連)」事務局長の田中芳秀は、「日本は貧しい国になってしまいました」と本紙に語る。 同団体の事務所の近くには、東京の売春産業の中心地である大久保公園がある。そこでは若い女性が、まだ日没前にもかかわらず客待ちをしている。 青母連によれば、コロナ禍による入国規制が撤廃されると、この公園を訪れる外国人の数が増えはじめたという。 「いまはその頃よりも、はるかに多くの外国人男性がやってきます。さまざまな国・地域から来ていますが、多いのは中国系です」と田中は
スウェーデンで「ソフトガール」と呼ばれるトレンドが物議を醸している。 ソフトガールは、TikTok発のトレンドで、キャリアの追求よりもスローダウン(ゆったり生きること)、セルフケア、そしてウェルビーイング(健康で充実した状態)を重視する精神性を指す。 このトレンドは数年前から各国で話題になっていたが、スウェーデンでは「女性が仕事を辞めて、男性パートナーに経済的に依存するライフスタイル」として広がっており、議論を巻き起こしている。 というのも、男女平等の先進国としてのスウェーデンのイメージとは対照的な動きだからだ。 スウェーデンの代表的なソフトガールのひとりである、インフルエンサーのヴィルマ・ラーション(25)は、以前は、食料品店や介護施設で働いていたが、1年ほど前に仕事を辞めた。
米誌の消費者調査で信頼度No.1に輝いたのはスバルだった Photo: Fatih Aktas / Anadolu / Getty Images 「ハイブリッド車の信頼度はガソリン車とほぼ同等」 米誌「コンシューマー・レポート」による最新調査によれば、2024年は電気自動車(EV)とプラグイン・ハイブリッド車(PHEV)の信頼性が大幅に伸び、ガソリン車との差が縮まったことがわかった。 同調査では、EVはガソリン車よりも平均して42%多くの問題があったという。だが、2023年度の79%に比べ、大きな改善がみられた。 コンシューマー・レポートで自動車テストのシニア・ディレクターを務めるジェイク・フィッシャーは、「EVとPHEVの技術は成熟しつつある」と米紙「ワシントン・ポスト」に語っている。 自動車メーカーは新しい自動運転技術やその他の機能をEVでテストすることが多く、新しいモデルには不具合が
マイクロソフトのサティア・ナデラCEOが、仏誌「ル・ポワン」の取材に応じ、活況を呈するAIについて語った。 2022年11月に発表されたOpenAI のChatGPTは、公開後わずか5日で100万人のユーザーを獲得した。これに先立つ2019年、グーグル、メタ、アマゾンといった大手テックがOpenAIを過小評価していたころ、ナデラは同社に10億ドルという多額の投資をしていた。 危機に陥ったマイクロソフトを、時価総額で世界3位にまで成長させたインド出身のエンジニアは、どんな未来を予見していたのだろうか。 誰でも「AI教師」がいる時代に ──AIの台頭は、今日の社会にどのような変化をもたらしているのでしょうか? 私たちは、コンピュータの計算能力が6ヵ月ごとに倍増する世界に生きています。この新たな法則が、「ムーアの法則」(半導体の性能は18ヵ月ごとに倍増するという経験則)に取って代わったのです。
「ローマ帝国」のモチーフに異様なこだわりを持つ米国 ──2023年、上梓された『パクス──ローマ黄金期の戦争と平和』(未邦訳)は、あなたが書いたローマ帝国に関する本としては3冊目です。欧米人はなぜ、これほどまでローマの歴史が好きなのでしょうか。 フランスの歴史家のレミ・ブラッグは、西洋の本質とは、キリスト教になる前のローマ帝国に心が強く引かれるところだと指摘してみせました。 この指摘は、かなり当を得たものです。ヨーロッパは、かつてローマ帝国の西半分の領域に広がっています。だから、ヨーロッパの人は、どうしてもローマを意識してしまい、ローマを再建しようという大望がつきまとうのです。 わかりやすい例を挙げるならナポレオンですし、カール大帝も同じです。フランス革命のときも、画家のダヴィッドは、革命家たちを古代ローマ人に似せて描き、ナポレオンをローマ皇帝として描きました。 独立戦争の頃の米国でも、ロ
大川原化工機事件や袴田巌の無罪確定など冤罪事件が続いている原因として、日本の人質司法への批判が高まっている。長期勾留や自白の強要に近い取り調べ──日本で逮捕されると、被疑者はどんな扱いを受けるのか。他の先進国との違いを英誌「エコノミスト」が指摘する。 出世欲から事件を「捏造」 2020年、横浜市にある化学機械メーカー「大川原化工機」の社長ら3人が逮捕された。容疑は、生物兵器に転用可能な機器を中国へ輸出したというものだった。 3人は約11ヵ月間勾留された。5回の保釈請求は、いずれも裁判官によって却下された(6回目で許可)。捜査官たちは罪を認めれば釈放するとほのめかしたが、彼らは応じなかった。 1人は勾留中に胃がんが見つかり、適切な治療を受けられないまま亡くなった。最終的に全員の無実が証明された冤罪事件である。 この事件は、日本の刑事司法制度が抱える根深い問題を浮き彫りにしている。それは被疑者
BYDやニオといった中国の新興電気自動車メーカーの存在感がますます高まっている。BYDは2024年10月、四半期ベースで初めてテスラの売上高を上回った。EVにおいて、中国勢は世界の絶対的な覇者になったと言えるのか? 英紙のアジア編集長が意見をまとめた。 中国はすでに電気自動車の世界の覇者なのか? 深圳から広東省東南部にある東莞、広州へと中国の工業地帯を貫いて走る高速道路には、世界中の自動車メーカーのあらゆる車種が行き交っている。トヨタのセダンが産業用タンカーの間を果敢にすり抜け、マイバッハやメルセデスのような高級車が重役たちを運んでいる。テスラが静かな存在感を示し、フォルクスワーゲンのコンパクトカー「ゴルフ」のような世界的な定番車がマイペースな走りを見せている。 だが、これは全体の半分に過ぎない。目にする車の2台に1台はなじみのないブランドのプレートと個性的なヘッドライトを付け、電気モータ
かつて「琉球王国」と呼ばれていた沖縄県。小国でありながらも独特の文化を育み、それは現在も県民の誇りとして受け継がれています。近年では、こうした独自の料理や芸能、そして豊かな自然が海外の観光客をも魅了している沖縄ですが、その歴史を説明できますか? 琉球大学名誉教授の高良倉吉先生に解説してもらいます。 沖縄県で話される方言(琉球方言)は、沖縄県以外の日本人には理解できない、外国語のような響きを持ちます。しかし、言語学の観点からみると、「日本語」は「本土方言」と「琉球方言」に二大別されています。古い日本語から分離し、本土方言(狭義の日本語)と琉球方言にそれぞれ変化したのです。 それに象徴されるように、沖縄(琉球)の島々に居住した人々は、日本文化をルーツに持つ人々でした。しかし、言葉が変化したように、沖縄(琉球)の人々はやがて日本本土とは異なる歴史を歩むようになります。その象徴が「琉球王国」です。
「共感力」×「闇の性格特性」 心理学者が新たに重要な性格類型を発見するなど、よくあることではない。ふつう人間は、「この秋冬でいちばん話題の性格特性」といった話をメディア向けにどんどん生産するようにはできていない。 とはいえ現在、これに近いような状況が、いわゆる「ダークエンパス」への関心の高まりとともに発生している。 この用語はTikTokでも流行しており、すでに260万を超えるメンションがある。「#darkempathtok(ダークエンパストック)」なるハッシュタグもあり、「エンパス(共感能力の高い人)がダークになるとき」とか、「最も危険なパーソナリティ」といった不吉なタイトルの動画を見つけるのに役立つ。 ダークエンパスを最初に定義したのは、2021年に学術雑誌「人格と個性」に掲載された1本の論文だった。論文の共著者たちはダークエンパスを、「闇の性格特性(サイコパス、マキャベリズム、ナルシ
インテルの牙城を崩す 英半導体大手アームのレネ・ハースCEOは、ソフトバンクグループ(ソフトバンクG)の思惑について立ち入るような発言はしていない。だが、10月に英ロンドンで開催されたブルームバーグのテックカンファレンスでこう述べている。 「AIに関するあらゆる業務が、何らかのかたちでアームのプロダクト上で実行される。そうした未来を実現するため、私たちはソフトバンクGと対話を重ねています」 アームは1990年代初頭に創業された。当初、英国東部のケンブリッジシャーにある七面鳥小屋にオフィスを構えており、その頃からプロセッサの設計を手掛けていた。アームの設計ベースのプロセッサを搭載したデバイスは現在、3000億台近くに上るという。 アームは起業からいまに至るまで、ほぼ一貫して携帯電話の製造企業を顧客にしている。この数十年、パソコンとサーバー市場を独占してきたのはインテル社のプロセッサ「x86」
“半導体業界のスイス”とも言われるアームを変革する? 孫正義が目論む「エヌビディアの競合」創出計画に周囲が漏らす不安 2016年、ソフトバンクグループの社長(当時)だった孫正義は英半導体大手アームを約3兆3000億円で買収した Photo: Neil Hall / Reuters
精神が不安定なチワワを拾った筆者。どうにかして犬の面倒を見るなか、彼女自身もどん底に落ちてしまい、精神的に参っていく。 この記事は、愛をテーマにした米紙「ニューヨーク・タイムズ」の人気コラム「モダン・ラブ」の全訳です。読者が寄稿した物語を、毎週日曜日に独占翻訳でお届けしています。 人生に転がり込んできたチワワ 出勤するためにアパートの門を出たある朝、左側からざわめきを感じた。振り向くと、とても小さな犬が、歩道を小走りでこちらへやって来ている。声をあげながら後ろをついて来る人間たちを、その子は不安げに振り返っていた。 脱走したのか、と考えていると、そばまで来たチワワは脚に飛びついてきて、すがるように私を見上げた。思わず身をかがめて、彼女を抱き上げ、後を追っていた者たちに差し出した。 手を宙でパタパタと動かし、彼らはバラバラに合唱するかのごとく呟いている──「いやいや、誰かが車の窓からその子を
この記事は、ベストセラーとなった『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』の著者で、ニューヨーク大学スターン経営大学院の経営学者であるスコット・ギャロウェイによる連載「デジタル経済の先にあるもの」です。月に2回お届けしています。 彼女が負けた理由を議論するよりも、彼が勝った理由を考察する方が興味深い。わたしたち左派は「彼は僅差で国民投票に勝っただけだ」とか「ウィスコンシンはたった3万票差だった」といった言葉で自らを慰めようとするが、現実にはドナルド・トランプはカマラ・ハリスを完膚なきまでに打ち負かした。 トランプは初めて国民投票で勝利し、7つの激戦州すべてを制した。これは政治的な地震であり、従来型メディアと戸別訪問を20世紀の遺物に変えた。トランプはラテン系から13ポイントを獲得し※1、その衝撃はカリフォルニアの選挙戦にまで及んだ。その余震は今後4年間(そしてそれ以降も)続くこ
孤独が心身の健康に悪影響をもたらすという説が一般的になりつつある。しかし、ハーバード・ビジネス・スクール教授で「幸福」の専門家であるアーサー・C・ブルックスによれば、人は孤独から多大な恩恵を得られるという。 幸福な隠遁生活 「完全な孤独は、おそらく人間が耐えうる最大の罰である」 哲学者デイビッド・ヒュームは、1739年の著書『人間本性論』のなかでそう記している。「同胞から離れれば、あらゆる喜びは色あせ、あらゆる苦痛はいっそう残酷で耐え難いものとなる」 その通りかもしれないが、私は別の視点を求めていた。そこでこの4月、私はインドのダラムサラの山上に住む隠遁者を訪ねた。 ゲシェ・ロブサン・ツェフェルはチベット仏教の僧侶で、過去25年間、ほとんど人に会わずに孤独に生きてきた。果たして、彼の完全な孤独は罰だったのか? 私はそれが知りたかった。 ゲシェ・ロブサン・ツェフェルの住まいは、森のなかの高台
かつて「幸福の王国」として世界から注目されていたブータン。だが、その実態は国民の幸せとはかけ離れているものだった。現在のブータンを英「ガーディアン」紙が報じた。 中国とインドという2つの大国に挟まれた小国ブータンは、国の発展を「国民総幸福量」(GNH)で計測する取り組みから「幸福の王国」として知られている。GNHは極端をよしとせず、中庸を目指す仏教の「中道の教え」に基づく尺度だが、近年そのバランスは失われている。 2008年にブータン政府によって初めて導入されたGNHは、数年おきに個人を直接訪問して148の質問をおこない、その結果から算出する。人口の1.4%を無作為に抽出しておこなわれた直近の2022年の調査では、0〜1までの数値で示される国民の平均幸福度は0.781であり、2015年と比較して3.3%は確実に幸福度が向上したことが示された。 だが、こうした楽天的な評価とは裏腹に、政権与党
韓国の突然の戒厳令は6時間で解除されたものの、国民に軍事政権時代の悪夢を呼び起こした。大ヒット映画を背景に、とりわけ戒厳令アレルギーが高まっていたところに、「殿のご乱心」である。尹大統領はいったい何を考えていたのか。元NHKソウル支局長の池畑修平氏が読み解く。 全斗煥「粛軍クーデター」の記憶 「政治的な自殺ですね」 ソウルの知人が、ため息混じりにもらした第一声だ。尹錫悦大統領が12月3日深夜に宣布した戒厳令に対する考えを尋ねたことへの回答である。 この知人は、日頃は現与党の保守派を支持していて、韓国政治を詳しくウォッチしているのだが、やはり尹が戒厳令を出すとは夢にも思わなかったという。ただでさえ、韓国社会において戒厳令という言葉は軍事政権時代の暗い記憶を呼び起こす。 しかも、いまはそのアレルギー反応がひときわ強まっていた時期だった。ある韓国の放送局のキャスターは、一晩で終わった今回の戒厳令
中国の著名なジャーナリストがスパイ罪で懲役7年の判決を受けた。日本の外交官と会食中に拘束されたが、その判決文では日本大使や総領事が「スパイ組織の代理人」として名指しされていたという。 中国の裁判所は11月29日、国営メディア「光明日報」の論説部副主任で著名な改革派知識人として知られる董郁玉氏(62)に対し、スパイ罪で懲役7年の判決を言い渡した。 董氏は2022年2月、北京で日本の外交官と会食中に拘束され、23年に起訴されていた。逮捕当時、日本人外交官も拘束されたが、外交官特権によりまもなく釈放されている。 董氏と面識のある東京大学大学院の阿古智子教授は、「(董氏は)温和な人柄で、中国の問題を鋭く捉え、改革に対して建設的な提言をしておられた。中国が憲法に基づく政治をおこない、開かれた言論環境をつくることで、国際的にも重要な役割を果たすことを望んでおられた」と、コラムに書いている。 董の家族が
韓国の尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領は12月3日夜、「非常戒厳」を宣言し、いっさいの政治活動を禁じるなどした。これをうけて軍隊や警察隊が出動し、ソウルにある国会議事堂を制圧しようとした。 4日未明、国会議長による緊急会議の召集に応え、議事堂に何とか入り込んだ与野党の議員190人全員(定数は300)の賛成により、非常戒厳の解除を要求する決議案が可決。 法により、大統領は国会の決議に従わなければならず、尹大統領は4日午前4時半、国会の要求を受け入れ、非常戒厳を解除すると発表した。 尹大統領は、野党支配の国会に対して不満を募らせており、それが政府を痲痺させていると主張して、今回の動きに出たとされている。 韓国で非常戒厳が発布されたのは、軍事独裁政権下の1980年以来のことだ。民主化後にふたたびこの言葉を耳にする日が来ようとは、と韓国社会に衝撃が走ったのも無理はない。 英紙「ガーディアン」は、尹
イケメンや美女は性的魅力の面で有利なだけでなく、経済的にも成功しやすいと聞いて驚く人はさほど多くないだろう。だが容姿のせいで住む場所まで変わってくるとすれば? こうした「美貌格差」は是正されるべきなのか。美貌の経済学「パルクロノミクス」を研究してきた経済学者に、英紙「タイムズ」の科学記者が聞く。 英国ロンドンには「不細工フィルター」があることを証明するつもりなど、ダニエル・ハマーメッシュにはなかった。 ましてや、この大都市が英国中のセクシーな人たちを飲み込みつつ、さほど美しくもなく、成功もしていない住民を吐き出していると結論づけることになろうとは思ってもみなかった。ハマーメッシュによると、後者は「ウェールズのようなところに移り住む」。 だが、ハマーメッシュはその発見に驚いたのだろうか。彼が生涯をかけて研究してきたのは、「パルクロノミクス」──しばしば隠れた、そしてしばしば議論の的になる、美
州の3分の1が「シカゴから離れたい」 2020年、米イリノイ州の南部に位置する人口およそ1万5000人のマサック郡で、法的拘束力のない住民投票がおこなわれた。それはニューヨーク、ロサンゼルスに次ぐ米国第三の都市シカゴを擁するクック郡と、イリノイ州のその他の郡を切り離し、新たな州を創設するべきか否かを問うものだった。結果は賛成票が7割。そしてこれが、この地の分離独立運動の始まりとなった。 2024年11月下旬には、新たに7つの郡で同様の住民投票がおこなわれ、そのすべてで賛成票が過半数に及んだ。現在、イリノイ州にある102郡のうち33郡で、住民たちが州からの独立を検討するよう、各郡の理事会に求めている。 彼らはなぜ独立したいのだろうか? この運動を主導する一人であるロレット・ニューリンは、英誌「エコノミスト」にこう語る。「私たちの票はカウントされないからです」
彼は現代の最も偉大な予言者の一人だろう。1975年にハーバード大学を離れてマイクロソフトを立ち上げたビル・ゲイツは、私たちの暮らし、働き方、思考にまで革命をもたらした。 24年前、ビル&メリンダ・ゲイツ財団を立ち上げ、それからというもの、自らの信条のために財産を使っている。とりわけアフリカの発展、ワクチンの普及、栄養失調との闘いなどに力を入れるゲイツは、科学的合理性の熱心な擁護者でもある。彼はいま、AIの飛躍を興味深く見守り、技術革新に多額の投資をしている。 ──あなたの財団は栄養失調、特に母子の栄養失調との闘いに注力しています。なぜ、この問題が重要なのでしょうか。 フランスや米国と比べて、ナイジェリアでは子供が死亡する確率は50倍に増えます。2000年に財団を設立して以来、各国政府の協力のおかげで、エイズ、結核、マラリアの撲滅のための国際的基金や、Gaviワクチンアライアンスのようなパー
海外でも人気の高いイメージのある日本の温水洗浄便座付きトイレだが、近年、主力だった中国市場での売り上げは伸び悩んでいるという。その一方で、英経済誌「エコノミスト」は業界を代表する日本企業TOTOの抱える課題を指摘しながらも、「海外市場における先行きは明るい」と日本のトイレの将来性を高評価している。 この100年間、多くのイノベーションが世界を変えた。だが西洋のトイレは例外で、依然として質素なままだ。 欧米にU字型の配管設備を備えた自律式水洗トイレが導入されたのは、20世紀初頭のことだった。欧米人はいまもなお、このタイプのトイレで充分だと考えているようだ。 だが、日本人は違う。日本では、家庭でもホテルでも温水洗浄便座が当たり前だ。それは訪日外国人にとって、驚嘆に値する光景でもある。 なかでも、世界最大級の水まわり住宅総合機器メーカーを自任するTOTOは、この業界の先駆的存在だと言える。198
近年、一冊の本を読み切れない大学生が目立つようになったと報じられている。 米誌「アトランティック」によれば、この傾向は、偏差値の高い名門校でも同じであるようだ。 同誌は米国の有名大学に勤める33人の教授にインタビューをおこなっている。それによれば、コロンビア大学やバージニア大学などの教授たちは「学生が複数の本を読むことに圧倒されている」と報告している。 また「難解なアイデアに直面すると、学生はときに理解しようとするのを諦めてしまう傾向がある」という。 そして、過去10〜20年間で「学生たちの文学との関わり方や、文学に対する価値観が変わった」という意見でほぼ一致している。
※本記事は『アフター・リベラル 怒りと憎悪の政治』(吉田徹)の抜粋です。 文化的観念は「本来的なもの」ではない 歴史は当初、国家に固有のものとして、国民の共同的な記憶や教育のために構築されてきた。歴史を記録する公文書館がフランス革命以降の国民国家形成を目的に作られ、『母を訪ねて三千里』といったイタリアの児童向けの国民的物語も、建国期のナショナリズム意識を高めるために創作されたものだった。 日本という共同体の記憶で現在、最も重要なものは「終戦記念日」だろう。ただ、戦争の終わりを記念するならば、日本の無条件降伏を求めるポツダム宣言を受諾した1945年の8月14日でもよいし、連合国との平和条約が結ばれた1951年の9月7日でもよかったはずだ。 実際、日本と戦った国々が祝う「対日戦勝記念日」は9月であるのが通例だ。多くの国の終戦記念日や休戦記念日は、講和条約の結ばれた日だ。そもそも今のように8月1
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