(2010年2月24日付 英フィナンシャル・タイムズ紙) 米国の失業率が前回2ケタに達したのは1980年代前半のことで、「Red Dawn(邦題:若き勇者たち)」という映画がヒットしていた。突然コロラド州に侵攻してきたソ連軍の落下傘部隊に抵抗するというストーリーの、当時の経済面での不安感を背景にした作品だった。 失業者数がその当時と同程度の水準にある今日、この映画のリメイク版の制作が進んでいる。ただし、今回の敵役はソ連ではなく中国だ。トム・クルーズの息子コナーも出演するこの作品は、中国軍がデトロイトの中心街を占拠するシーンで始まる。 そのような環境だけに、中国の通貨・人民元が大きな政治問題として再度クローズアップされても不思議はあるまい。 米国で再度クローズアップされる人民元の問題 オバマ大統領は2月3日、米上院民主党の議員集会で演説し、中国政府に人民元の切り上げを求めるなど、貿易や通貨問