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「最近の若い男の子ってきれいねぇ」 と、母が言った。母、73歳。 買い物に行くのにバスに乗ったら、たまたま近くの高校の下校時だったらしく、高校生がたくさん乗っていたという。全員男子。降りる停留所の近い母は、昇降口近くのポールにつかまっていた。母の手の少し上に、やはりポールをつかんでいる男子高校生の手があった。 「思わず自分の手、引っ込めたの」 「なんで?」 「だって私の手、シワシワのおばあちゃんの手でしょ。向こうはシミも皺もないきれいな手よ。あんまり違うもんで恥ずかしくてね」 吹き出した。 「誰もお母さんの手なんか見てないよ。見たとしても何とも思ってないって」 「でも恥ずかしいわよ。そんで男の子見上げたらさ、まあ肌のきれいなこと。あんまり陽に灼けてなくてツルンとしてて皺一つなくてねー。いいわねえ若いってことは」 「よしなさいよ、ジロジロ見るの。変なおばあさんだと思われるよ」 「そんでバスが
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