1990年の「足利事件」で昨年3月に再審無罪が確定した菅家利和さんについて、日本弁護士連合会は1日、91年12月の逮捕から93年7月の一審の有罪判決に至る弁護活動の問題点を検証した報告書を公表した。当時の弁護人2人について「当初から菅家さんが犯人との先入観を抱いており、役割を果たしていなかった」と厳しく総括した。 日弁連と栃木県弁護士会のメンバーが、菅家さん本人や弁護人を務めた弁護士、支援者らから聞き取る方法で調査した。 報告書は、逮捕された菅家さんに接見した弁護人が黙秘権の告知をせず、起訴までの接見回数が数回にとどまり、時間も短かったことを指摘。「弁護人として最善の努力をする義務を果たしていない」とした。 また、一審・宇都宮地裁での公判中、菅家さんが家族あての手紙で無罪を訴えていたことを知りながら、弁護人がすぐに接見をしなかった点を、「まったく理解しがたいもので最大の問題だ」と批判