100万年も死なない洋子がいました。100万回も死んで100万回も生きたのです。りっぱな洋子でした。100万人の人がその洋子をかわいがり、100万人の人がその洋子が死んだとき泣きました。洋子は1回も泣きませんでした。 あるとき洋子は絵本作家の洋子でした。洋子は読者なんかきらいでした。読者は児童書評論が好きで、いつもいろんな作品にケチをつけていました。ただ、洋子の作品だけは自分の本棚にだいじにしまっていました。 ある日、洋子は病気で亡くなってしまいました。読者は洋子の作品を抱いて泣きました。読者は、もう「泣ける・泣けない」などというおとなの視点でだけ絵本を見る、実のない評論をするのはやめることにしました。 残り999,999回…。
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