読後感のいい1冊だ。「週刊プレイボーイ」の名物編集長として名を馳せた著者が、かつて自分が担当した柴田錬三郎、今東光、開高健が憑依したかの勢いで吠えまくる。語り口はとことん直截で、何を根拠にと突っ込みたくなるような個所もあるが、妙な説得力で押し切った。 本来、人生相談ほどいい加減なものはないと思う。学生に何か助言した後、今のでよかったのだろうかと自問してしまう小心者の私にとって、短い質問文やちょっとしたインタビューだけで、「ああしなさい、こうしなさい」と断言できる神経がどうにもわからない。 本書が抵抗なく読めたのは、相談者が(例外もあるが)あまり切羽詰まっておらず、むしろ回答者・島地勝彦とのやり取りをただ楽しんでいる風情があるからだ。「シマジ」なら何て答えるだろう? 相談というよりもお題を出す感じである。 上司からの評価の低さを嘆く相談者には、こんな回答。 「才能や努力が評価されない。人生は
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