■旧宗主国・英国への遺恨が背景か 年間インフレ率16万5000%、失業率80%−。国家崩壊の危機にあるアフリカ南部ジンバブエ。大統領選の決選投票が27日、第1回投票から約3カ月ぶりに行われる。野党候補の勝利が予想される中、1980年の独立以来、独裁体制を敷くムガベ大統領の周辺はクーデターを準備しているとも伝えられる。独立時に欧米から「自由の戦士」と称賛された英雄はなぜ「暴君」に転落したのか。(ロンドン 木村正人) 南アフリカの作家ホランド女史は昨年12月、大統領とのインタビューに成功し『ムガベとの晩餐(ばんさん)』を出版した。女史は1975年、ムガベ氏がモザンビークに出国し武装闘争を始める直前に初めて会った。鉄のように無表情だった50代の闘士は32年後、ダークスーツに赤の絹ネクタイという英国紳士風に変わっていた。 欧米から「暴君」と非難されるムガベ氏についてホランド女史は地元紙に「氏の深層