『ダ・ヴィンチ』2006年7月号(メディアファクトリー)の京極夏彦さんと高橋葉介さんの対談記事「『幽』怪談文学賞を目指す方へ〜怪談之怪は、こんな怪談を待っている!」より。 【京極夏彦:僕の長編小説なんかは、ネタ的にはどれも4コマですからね。起承転結というか、まず構造ありきではあるわけで、だから僕は怪談が書けないのか(笑)。ただ、「この人一体何を考えて書いてるんだろう。書いた奴がいちばん怖いよ」という作品も、長編怪談の場合はアリなのかな、と思いますけど。 高橋葉介:ああ、そういうのも読みたいですね(笑)。 京極:投稿作品を読んでると、たまにあるんですよ。これ書いた人には会いたくないなあって作品が。 高橋:しかし短編の場合は『猿の手』のように「よくできていること」が重要です。 京極:そうですねえ。一方で、長編の場合は破綻が魅力になることもありますね。以前、筒井康隆先生とお話させていただいていて