CDの売上減少が続き、ヒットチャートはAKBと嵐ばかり。そして、J-Popは-K-Popに負けていく──。日本のポピュラー音楽が危機的状況にあると、いろんな所で指摘されています。そこで、昨年12月に『ポピュラー音楽の社会経済学』(ナカニシヤ出版)を上梓した高増明教授(関西大学)に、日本のポピュラー音楽の問題点について聞いてみました。 高増明氏(関西大学教授) ──高増教授は経済学者で、以前にTPPや日中関係についてご意見を伺ったこともあるのですが、なぜ、ポピュラー音楽の本を書こうと思ったのですか? もともとロックやジャズが好きで、10数年前にインディーズのレコード会社を学生と設立しました。そこで音楽の制作・販売を経験したこともあって、8年前に経済学部から社会学部に移ったのをきっかけに、ポピュラー音楽についての講義を始めました。そこで気付いたのは「教科書がない」ということでした。そのときから