「日本の若者の右傾化」が取り沙汰されている。しかし、これは事実なのだろうか? 橘玲氏は「右傾化論」を俗説と切り、若者が自民党や維新を支持している真の理由、そしてリベラリズムの台頭によって社会に生じた不都合な問題について解説する。 ※本稿は『Voice』2023年7月号より抜粋・編集のうえ、一部加筆したものです。 世界が急速にリベラル化していった理由 社会がよりリベラルになることは、総体としては人びとの幸福度を上げるだろうが、リベラル化がなにもかもよいことだとはいえない。一人ひとりがより自由になれば、社会が複雑化して利害の調整が困難になり、政治は機能しなくなるだろう。 ここで私は、リベラル化を「自分らしく生きたい」という価値観と定義している。人類史の大半において、生まれたときに身分や仕事、暮らす場所や結婚相手が決まっているのが当たり前で、「自由な人生」など想像すらできなかった。だが第二次世界
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