貧困層の自立を目指し、仏教圏の僧侶による人道支援ネットワーク「四方(しほう)僧伽(さんが)」が設立した出資銀行「仏(ぶっ)陀(だ)バンク」がアジア各国に広がっている。この1年半の間に6カ国の農村で資金が利用され、自立を果たした人からの返済率は99%。発案した福岡県朝倉市の報恩寺副住職、井本勝幸さん(45)は「住民が食べるのに困らない状態にしたい」と、さらなる輪の広がりを狙う。 仏陀バンクは、住民一人一人の経済的な自立を目標に、事業を始める個人に無利子で出資するシステム。資金はすべて四方僧伽のネットワークで集まったお布施でまかない、各地区の「仏陀バンク委員会」が借り手の事業、返済計画を審査し、出資している。 貸出先はアヒル養殖の主婦やバイクの修理屋、雑貨商、薬局などさまざまで、昨年4月にカンボジアでスタートして以降、バングラデシュやタイ、スリランカなど計6カ国、19カ所の農村部に拠点が拡大し
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