【パリ=飯竹恒一】アフガニスタンに派遣される予定だったフランス軍のイスラム教徒の兵士が昨年、「同じイスラム教徒を相手に戦うのは忍びない」と現地入りを拒み、除隊処分となっていたと仏メディアが伝えた。現地ではイスラム原理主義勢力タリバーンに対する掃討作戦が続いている。 同じ理由で現地入りを渋った兵士がほかに2人いたが、処分はなかった。うち1人は軍のイスラム教司祭に諭されて現地入りを決めたものの、準備の訓練が遅れ、まだ出発していないという。 軍担当者は仏ラジオに「3人のケースは極めて珍しいこと」と説明。「国を守ろうと志願して入隊した以上は、自分の信条や信教を優先されては困る。どの任務にかかわるかを自分で選ぶことはできない」と話した。 仏では徴兵制が90年代から02年にかけて段階的に廃止され、現在は職業軍人のみ。アフガンでは3千人近くが活動している。