全国公開中の映画「夏の終り」の一場面。男性の喫煙率が非常に高かった昭和30年代を描き、作家(小林薫)が喫煙するシーンが出てくる(右は満島ひかり) 不朽の名作「カサブランカ」でハンフリー・ボガートがゆったりとくゆらせる紫煙−−。映画や舞台で表現方法の一つとして使われてきた喫煙シーンが、時代の中で揺れている。公開中のアニメ映画「風立ちぬ」(宮崎駿監督)には禁煙団体が「未成年者の喫煙を助長する」などとクレームをつけ、話題になった。健康志向もあいまって作り手側は苦慮している。【鈴木隆、木村光則】 【特集ワイド】強まる表現規制 問題の核心は「知る権利」 日本漫画家協会理事長・ちばてつやさんに聞く 「かつて、たばこが男らしさの象徴だった時代があった」と言うのは「軽蔑」「さよなら渓谷」など若者が主人公の映画を数多く製作している森重晃プロデューサー。「アクションやヤクザものの映画では“良い悪い”ではなく
『レインツリーの国』(有川浩著・新潮文庫)に収録されている、山本弘さんの「解説」より。 【『図書館戦争』は架空の話ではありません。それはげんに今、現実のこの日本で起きていることなのです。 現実が『図書館戦争』の世界と違うのは、「禁止語」を取り締まっているのがメディア良化委員会という架空の組織ではなく、マスメディア自身ということです。1970年代、一部の人権団体がちょっとした表現にも過激に抗議してきた時期があり、それに対応するために出版社や放送局が自主規制を開始したのです。今ではほとんどの大手出版社、放送局、新聞社に、自主規制語(禁止語)のリストがあります。作家がそれらの言葉を使うと注意され、書き換えや削除を要求されます。 無論、それが本当に差別をなくすのに役立つなら、自主規制もやむをえないでしょう。しかし、現実はまったく逆です。 最大の問題は、自主規制の対象が、文章の内容が差別的かどうかで
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