ほとんどの抗生物質が効かない多剤耐性遺伝子NDM1を持つ菌が、インドの首都ニューデリーの水道水などから見つかった。病院などでは見つかっているが、外部の環境中で見つかったのは初めて。耐性遺伝子の拡散が心配される。英医学誌ランセット姉妹誌最新号が英豪チームの論文を掲載した。 チームが昨年9〜10月、ニューデリーの水道水や水たまりの水を調べたところ、それぞれ4%、30%の割合でNDM1を持つ菌が見つかった。その中にはコレラや赤痢を引き起こす菌も含まれ、抗生物質が全く効かないものもあった。 ニューデリーでは上下水道の整備が不十分なうえ、モンスーンによる洪水で汚水が飲料水に混じる可能性が考えられる。チームのティム・ウォルシュ英カーディフ大教授は「人口密集地で飲用や料理などに使われる水から耐性菌が見つかった。極めて憂慮される結果だ」とコメントしている。 米国などではインドで治療を受けた人らからN