かつて、多くの若手芸人の人生を狂わせた伝説のバラエティ番組があった。その名は『電波少年』(日本テレビ)。猿岩石の大陸横断ヒッチハイクツアー、なすびの懸賞生活など、若手芸人を半ば強制的に巻き込んだ過激な企画の数々が話題を呼んだ。高い視聴率を誇っていた同番組は、無名芸人が一夜にしてスターへと生まれ変わるシンデレラストーリーを次々に生み出していった。 そんな中で、時代に取り残された芸人もいた。コンビの相方が『電波』に連れ去られ、スターになっていく過程を指をくわえて眺めているしかなかった男たち。その1人である幽谷マサシ氏は、そんな自分の境遇を『すべる時間』(太田出版)という小説にまとめて、「第2回hon-nin大賞」を受賞した。そんな幽谷氏と、同じく相方を『電波』に連れ去られた経験を持つ元・クールズの森脇優雅(プロダクション人力舎)の2人に、当時のことを振り返って語ってもらった。彼らにとって、また