先日、慎泰俊『ソーシャルファイナンス革命』を紹介したが、私はこうしたファイナンスのイノベーションについて、若干の疑問を持っている。それについても忘れないうちに書いておきたい。 ムハメド・ユヌスがマイクロファイナンスを始める前は、新興国の貧しいひとたちは金融業者から年利数百パーセントというきわめて高い金利で融資を受けるしかなかった。だが慎氏も指摘するように、これは金融業者が暴利をむさぼっていたわけではない。新興国に特有のさまざまな事情(高いインフレ率、政治的・社会的なリスク、モラルハザードなど)によって、“暴利”でなければビジネスが成立しなかったのだ。 ところがユヌスは、融資の返済を「連帯責任」にすれば回収率が劇的に高まることを利用して、貧しいひとたちに少額の無担保融資を「低利」で提供した。これはスゴいイノベーションで、貧困への取り組みを一変させたからこそノーベル平和賞を受賞したのだ。 とこ
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