選択的夫婦別姓制度は実現するのか。国連の女性差別撤廃委員会(CEDAW)が4度目となる民法改正を日本政府に勧告した。宗教学者の島田裕巳さんは「古来、日本の保守派は夫婦同姓にむしろ反対だった。夫婦同姓は、近代社会が生み出した明治期以降の新しい伝統だ」という――。 選択的夫婦別姓を求める内外の声 国連の日本政府への勧告が耳目を集めている。 皇位を男系男子に限るとした皇室典範の規定が女性差別にあたるとして、その改正を勧告した国連の女性差別撤廃委員会は、選択的夫婦別姓を可能にするよう民法を改正することも求めていた。皇室典範についてははじめてだが、こちらは4回目の勧告になる。 国内でも、選択的夫婦別姓を求める声は高まっている。 経団連でさえ、現在広く行われるようになった旧姓の通称使用は、「企業にとっても、ビジネス上のリスクとなり得る事象であり、企業経営の視点からも無視できない重大な課題」であるとし、