メガトン級のスゴい新書 経営している田畑書店という出版社でこの夏、『これは水です』という新刊を出した。デヴィッド・フォスター・ウォレスというアメリカのポストモダン作家の卒業式スピーチを翻訳したものである。部数がそう出ているわけでもないのに、ネットでの反応などを見ると思いのほか若い世代に理想的な読まれ方をしていて、ちょっと驚いている。 ……と、これは宣伝のために書き起こしたわけではなく、本書を手に取った理由が、ウォレスが語っているリベラルアーツに深く関係していることを言いたかったからだ。 『文系と理系はなぜ分かれたのか』(隠岐さや香 著 星海社新書) 「文系と理系はなぜ分かれたのか」 実に直截的なタイトルで、その意味するところ以上のものを求めずに軽い気持ちで読み出したのだが、途中で襟を正した。 結論から先に言ってしまうと、これはメガトン級のスゴい本である。新書判で256頁。これだけのボリュー