今月12日にシンガポールで行われた米朝首脳会談で、トランプ米大統領が金正恩朝鮮労働党委員長に対し、北朝鮮の「完全非核化」に要する費用を名目に日本に500億㌦(約5兆5000億円)を拠出させる約束を交わしていたことが明らかになった。日本政府関係筋が24日、本紙に明らかにした。日本人拉致問題が未解決の段階での破格のディールに波紋が広がりそうだ。(編集委員・上田勇実) 拉致未解決、破格なディール 元山リゾート開発でも交渉 トランプ氏は12日、米朝会談後に現地で開かれた記者会見で非核化に掛かる費用について「韓国と日本が払う」と述べていたが、その詳細は不明だった。 日本政府は北朝鮮による日本人拉致被害者の全員帰国にメドが立った後、日朝国交正常化交渉に臨む考えで、その際、2002年日朝平壌宣言に盛り込まれた北朝鮮への経済協力の一環として資金支援が可能との立場だ。 米朝会談後の対話ムードを受け、日朝対話