やはりデフレ環境が長く続いたのがよくなかった。「今日よりも明日のほうが良いはずだ」と誰しもが思えず、モノの値段は下がり、日本経済はどんどん縮んでいきました。現状維持に固執する強い意志がそこにあったんですね。これをなんとか変えたいけれども、自分だけではなんともしがたい。じくじたる思いがありました。 経済同友会の代表幹事の打診があったとき、正直悩みました。サントリーの仕事もあるし、まだまだやりたいことはたくさんあるし、自分で自分の首を絞めることにもなりかねない。悩んでいても答えは出ないので、佐治(編集部注:サントリーホールディングス代表取締役会長の佐治信忠氏)のところに駆け込みました。 会長に「やめとけよ」と言われたほうが正直楽だったかもしれません。しかし、佐治からは「わしは経済同友会が好きだ」と言われました。そして、「あんたならやれる」と。「本業をしっかりやってくれ」と言われたら代表幹事の話