前述のように諸外国では大競争時代に備えて、研究開発システムの改革とイノベーション創出に資する政府の研究開発投資の拡大等を着実に行っている。米国、中国等に比べ、資源・人口等の物量面において優位に立てない我が国がこれに対抗するためには、研究開発の活性化・効率化によるイノベーションの創出を行っていくことが必要である。 しかしながら、我が国の科学技術を巡っては、アジア諸国の科学技術への投資の急増及び研究・技術水準の急激な上昇による比較優位の縮小、我が国の人材基盤の脆弱(ぜいじゃく)化の懸念、、サイエンス型産業や第3次産業における国際競争力の低迷、技術経営等を巡る「出口戦略」面の弱点など、様々な課題が山積している。このため、今後、研究開発システムの改革等を推進していくには、このような課題の解決を念頭に置きつつ行っていく必要がある。 1 指標で見るアジア諸国の急速な追い上げ 我が国の平成18年度の名目