本書『一万年の進化爆発 文明が進化を加速した』(参照)が日本では翻訳出版されたのは2010年。原書「The 10,000 Year Explosion: How Civilization Accelerated Human Evolution」(参照)の出版が2009年なので一年ほどして日本でも訳本が出たことになる。私もそのころ読んで、困惑した。 面白い本かといえば間違いなく面白い。似たようなテーマである『10万年の世界経済史』(参照)より科学的な装いをしているし、「人類はこの一万年間に飛躍的に進化している」とする仮説もスリリングだ。しかし、ほんとかね? 科学的にこれをどう評価してよいかよくわからない。が、1990年代だったが「Bell Curve: Intelligence and Class Structure in American Life」(参照)という議論を呼ぶ書籍があり、私の